官能小説「放課後の夜」八十 | かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」

官能小説「放課後の夜」八十

翌日、良雄は今まで生きてきた中で最高の朝を迎えた。


初めて女性と、奈津子と交わり、一つになったという事実はまだ思春期真っ只中の良雄にとって途轍もなく大きな意味を持っていた。


奈津子と一緒にいた時間は半日にも満たない短いものだったが、それでも良雄の胸にはあの濃密な交わりの記憶と、ぬくもりの余韻が残っていた。


学校へ行く道すがら、風は冷たく、肌寒いが、燦々と降り注ぐ朝日の眩しさが心地いい。


今はもう、日常の細かな煩わしさが全く気にならない。胸の内の確かな暖かさが小さなことを吹き飛ばしてくれる。とにかく幸せな気分だ。全てがうまくいき、全てを前向きにとらえられる気がする。


学校に着いて、授業が始まるまで達也と少し話した。奈津子のことについては一切話さなかったが、やはり言外に伝わるものがあったのだろう、達也は良雄をまじまじと見て、


「 お前、何かいいことあったのか? 」


と聞いてきた。良雄は少し迷った。達也はクラスの中でも一番仲の良い友達である。話してもいいのではないか?


(いや…やっぱりマズい。一応黙っておいたほうが……)


相手は奈津子なのだ、自分らの数学の教師なのだ。普通の恋愛とは違うのだ。用心が働く。


一方で、昨夜の祝うべき出来事を達也に事細かに話して自慢したいという気持ちが、抑えても抑えても沸き起こってくる。


(言うか?言ってもいいんじゃないか?)


(ここだけの話だと堅く口止めしておけばいいんじゃないか?)


心の中でグズグズしているうちに、授業開始のチャイムが鳴った。


今日は奈津子の授業はない。が、溢れるほどの甘い記憶が心を満たしているから寂しいとは思わない。


(その気になれば、いつだって会える…。)


授業が始まっても勉強はおざなりで、顔はだらしなく緩み、気持ちはホンワカとして昨夜の情事を夢のように振り返っている。


(あの後…。)






…奈津子は良雄の精液を飲み干した後、良雄のモノを見て目を輝かせ、



「 すごい…やっぱり若いね。まだこんなに元気が…… 」



と言って上を向いたままの良雄のモノに優しく手を添えた。



「 そういえば、この前もこんな感じだったよね。波川くん、絶倫なんじゃない? 」



「 からかわないでよ、先生…。 」



「 うふふ…。 」



奈津子が微笑む。



添えた手をゆっくりと動かす。



良雄の中で、また欲望の青い炎が静かに燃え始めた。



(先生…。)



手を伸ばし、柔らかい奈津子の乳房にそっと触れる。



ため息を漏らす。



「 ねえ…波川くん……もう一回する…? 」