私的 桃太郎伝説 9 | かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」

私的 桃太郎伝説 9

桃太郎はその鬼の話を、村人から伝え聞いてきたおじいさんに聞いて知りました。



鬼が住んでいる黒い島は鬼ヶ島と呼ばれ、鬼たちはときどき人を襲うために海を渡ってくるといいます。



鬼たちの所業は残虐極まりなく、価値のありそうな物や、美しい娘を容赦なく奪っていきました。邪魔をしようとする者は、ことごとく殴り倒されました。もちろん死者も出ました。



ああ恐ろしや。明日は我が身じゃと村人は震え上がっていました。



桃太郎はまだ見ぬ鬼たちに思いを馳せました。鬼というのは、本当に強いのだろうか。どんな姿をしているのだろうか。



話を聞いた当初は少し興味を持っただけでしたが、 時間が経つにつれて実際に鬼に会ってみたいという思いが桃太郎の中で大きくなってゆきました。



ご飯を食べている最中に、山を歩きまわっている時に、イノシシやヤギやウシを犯している最中に、鬼の強くたくましい体を想像します。



桃太郎は、その頃にはもう怪物という称号にふさわしい体つきになっていました。背は七尺(210センチ)近くまで伸びており、見るからに骨太な体は超人的な筋肉をまとって見る者を圧倒します。



しかし、その顔だけにはまだあどけなさが残っていました。ふっくらとした頬、紅い唇、くりっとした目は多少つり上がっていましたが、よく見ればその瞳の奥には少年の輝きが宿っています。



桃太郎は、精神的にはまだ大人になりきれていませんでした。けれども自分の肉体に対する自信が、鬼への興味を増長させます。



桃太郎は、もうたまらなくなってしまいました。ついに本当に鬼ヶ島へ行くことを決意しました。