私的 桃太郎伝説 8 | かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」

私的 桃太郎伝説 8

桃太郎の村での評判も、一層悪くなりました。



怪物、乱暴者、けだもの…好き放題言われ、存在自体が忌み嫌われました。



おじいさんとおばあさんも、大変肩身の狭い思いをしました。



桃太郎はすっかり人嫌いになってしまいました。いや、人を嫌う前に、人を恐れるようになりました。



だからといって、桃太郎は家にじっとしていられる性分ではありません。



山に行き、川に行き、孤独の寂しさを紛らわすために暴れまわります。



だんだん成長して、体の大きくなった桃太郎は、いつしかもう手がつけられないほど凄まじい力の持ち主になっていました。



大きな木を、一蹴りで倒しました。イノシシは、頭を拳でゴツンとやるだけで死にました。熊は、ふところに入って胸に一撃するだけで死にました。



そうして、そんな桃太郎の姿をたまに村人が見かけると、あまりの凄まじさに恐ろしくなって震えあがり、急ぎ帰って周りの人達にその有り様を伝えました。



桃太郎に親しげに話しかけてくる人は、誰もいませんでした。



寂しさは募る一方でした。成長すればするほど、人肌も恋しくなりました。



同じ年頃の友達と遊びたいと思いました。また、美しい女と交わりたいとも思いました。



しかし、近くに住んでいる人達はみんな桃太郎を怖がり、その姿を見ると、目も合っていないうちから逃げ去って行きます。



人としてまっとうな生き方を、こんな状況でできるのだろうか?



桃太郎は山賊になることを考えました。山に潜み、旅人の衣服をはぎ、金品を奪い取り、気に入った女を襲って手込めにする。



そんなのが、自分には一番合っているような気がしてきました。いや、そうするしかないのではないかとさえ思われました。



けれども、おじいさんとおばあさんのことを考えると、気が引けます。これ以上、自分のことで悲しい思いをさせたくはありません。



桃太郎は、不安や絶望や自己嫌悪でたまらなくなると、山に行って獣を襲いました。殺すのではなく、メスを捕まえて後背位から交わるのです。



シカやイノシシを犯しました。



山以外でも、ヤギやウシを犯しました。



桃太郎は、ウワサ通り、文字通りケダモノになっていったのです。



桃太郎の性格も、どんどんすさんでいきました。



その頃、桃太郎のウワサとはまた別の、恐ろしい話が村中に広まっていました。



村からだいぶ離れたところに海があり、その沖合いはるかに黒い不気味な島が浮かんでいて、そこには恐い恐い鬼が集まって住んでいるというのです。