私的 桃太郎伝説 5 | かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」

私的 桃太郎伝説 5

男の子の腕が、見ている感じでも木登りするのに全く問題ないようなので、桃太郎はホッとしました。



「 お~い、木登り楽しそうだなあ~! 」



桃太郎が声をかけると、太い枝にたどり着いたばかりでこれから態勢を整え一休みしようとしている男の子がビクッとしました。



男の子が桃太郎のほうを向き、目が合いました。



「 何しに来た? 」



男の子が問うと、



「 腕を噛んだ時のこと、謝りたいと思ってなあ。下に降りてきてくれんか。 」



桃太郎が言います。



男の子は、困惑しながらも下に降り始めました。



男の子が木から降りて、二人は無言で向き合いました。



「 この前は悪かったなあ。腕はもう大丈夫か? 」



「 ああ、大丈夫だ。 」



男の子に笑顔はなく、顔は硬いままでしたが、大丈夫だとはっきり言ってくれたので桃太郎はひとまず安心しました。



それにしても、まだ年端もいかないというのに見るからに頑丈で骨太な桃太郎に対して、この男の子の可愛らしさといったらどうでしょう。



ツヤのある黒髪を茶筅髷のように結い付け、黒目がちの珠のような瞳はその純粋な心を映して輝き、その輪郭も、まるで多くの人に愛されるためにデザインされたかのように無駄なくきれいで形が良いのです。



手足も太すぎず細すぎず、少年らしく少しふっくらとしてバランス良く伸びています。



桃太郎はゴクリと生唾を飲み、男の子の可愛らしさに魅入られ、そして…やっぱりこの男の子を食べてしまいたいと思いました。