官能小説「放課後の夜」三十七 | かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」

官能小説「放課後の夜」三十七

奈津子の手と太ももにフワリと挟まれたその手に、まるで奇跡を求めてメシアに殺到する群集のような良雄の血液が、あっという間に集まって表面を紅く染めていく。

(なんて柔らかな手なんだ…。)

それは包容であり、許しであり、危なげな欲望を正当化する光であった。

思いがけない感動に、良雄は一瞬、迷う。もうこのままでいいのではないかと。

甘い安息に抱かれながら見つめ合って時を過ごすのも悪くはない。

しかし良雄のそんな思いは次の瞬間、脆くも崩れ去った。

うっとりと細められた良雄の視界の端に、奈津子の紺のワンピースから伸びた美しい脚が、あの形の良いふくらはぎが、官能的なグラデーションに彩られて映りこんできたのである。

そして良雄の目はその艶やかな様に釘付けとなり、一度は鳴りをひそめた強烈な欲望が、征服欲が急激に蘇ってきた。

(この脚に触りたい…舐めまわしたい…。)

両の手のひらにじっとりと汗が滲む。

それでもいきなり脚に食いつくのは躊躇われた。美しきものは常に瞬間の中に息づくものであり、手段とタイミングを間違えれば立ちどころに消え失せるか、味を損なってしまう。

良雄は目を移し、奈津子の麗しい唇を見つめる。

(そうだ、この唇から…全てを始めるんだ…。)