官能小説「放課後の夜」二十二 | かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」

官能小説「放課後の夜」二十二

終了を告げるチャイムが鳴ると同時にテスト用紙の回収が始まった。

良雄の負のオーラが籠もった白紙のテスト用紙も、皆のぶんと混じって前の席へと前の席へと回っていき、ついに奈津子の手元に届いた。

良雄は自分がまるで犯罪者になったような気分になってしまった。テストを白紙で提出したことなど、これまで一度もなかったのだ。

(どうする?今すぐ先生のところへ行って言い訳するか?でも何て言うんだ?)

(いや…やっぱりこれでいいんだ。今の俺があんなクソどうでもいい小テストに集中するのは無理だ、無理なんだ!)

良雄は居直って覚悟を決めた。するとなんだか妙に気分がすっとして、奈津子の反応を楽しみにしている自分が頭の中でどんどん大きくなってきた。

奈津子がテスト用紙の回収を終え、礼をして教室から出て行く。良雄はそれを射抜くような視線で見送った。

しばらくしてクラス担任の松尾が入ってきて短いホームルームが行われた後、下校の時間となった。達也が一緒に帰ろうと寄ってくる。一人になりたい気分だったが断るのも悪いので二人で歩き出す。

相変わらず達也は元気でしゃべり好きで、良雄の顔色を窺うことなくとりとめのない話をし続ける。こういう時の達也は本気で鬱陶しいのだが、こういう達也に助けられることも多くあるので無下にはできない。適当に相槌を打ちながら下駄箱に向かう。

その時、背後から

「波川くん!」

と良雄を呼ぶ声がした。

良雄はビクッとして立ち止まり、ゆっくり声がした方に振り返った。

そこには一枚のテスト用紙を持ってこちらに近づいてくる奈津子の姿があった。