官能小説「放課後の夜」五 | かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」

官能小説「放課後の夜」五

授業が全て終わり、さあ、これでようやく自由の身だ!

週末の解放感に浮かれる生徒たちの波を掻き分けて、良雄と達也はいつものように下らない冗談を言い合いながら、笑顔で正門を出て学校を後にする。

空はすでに昼の明るさを失って、夕闇が迫ろうとしていた。季節はもうすぐ冬、まだ震えるほどではないが、風は冷たい。

達也の家に向かって二人しばらく歩いていると、細いアスファルトの道の他は田んぼばかりの景色となって、あとは遠くに車が音も無く走っているのが小さく見えるだけ、前にも後ろにも人の気配はなし、急に静かな帰り道となった。

「 どうだ良雄、なあ、もう心臓バクバクいってんじゃないのか? 」

からかうように達也が言う。

「 それほどでもねえよ。 」

実際のところ、良雄は楽しみではあったが、正直言えば、そういったDVDは一人で観たい。しかし、達也にそのDVDを借りて自宅で観ようと思っても良雄の部屋にはテレビすらないのだ。一度両親に自分の部屋にもテレビをと頼んだこともあったが、受験が終わるまではと断られた。

居間のテレビで観れないのか。母親は専業主婦で、家にいないことはほとんどない。買い物などは良雄が学校に行っている昼間にしてくる。

やはり自分の家で一人で観るのは無理だ。どうしても母親の顔がちらつく。

それにしても、なぜ達也はこういう時に自分を招くのか。達也はまだそのDVDを観ていないと言う。俺だったら、誰も家に入れずに一人で観るだろう。そして一度だけじゃなく二度も三度も…想像するだけでドキドキしてしまう。

良雄は横に並んで歩く達也の顔をちらと盗み見た。達也は流行りの歌を口ずさみながら、これからの良雄と過ごす時間を心から楽しみにしているようだった。