本日は、バケツリレー様の寄稿コラムです！
いよいよ忠義の哲学も佳境に差し掛かっているようであります。
形而上の話はなかなかに難しい部分も多いのですが、それをここまで砕けた作品にすることに脱帽をしております。私(ヤン)なら・・・100%無理です(笑)
また形而上の話は「多くの人に共有されること」で、形而下にまで多大な影響を及ぼすはずです。「国民意識」「道徳観」「人権」とかはその代表格だったりしますよね。
「忠義」を学ぶことは、これまた形而下に影響するのです！すなわちっ！経世済民っ！(ジョジョ風)
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ジョジョの忠義な哲学 第８部 １～バケツリレー様
ジョサイア・ジョイスが語り直す、名著『忠義の哲学』！
（これまでを振り返るのはこちら）
（第１部第１回はこちら ４部までのまとめ ５・６部のまとめ）
（登場人物紹介ページはこちら）
第八部 忠義と永遠真理、そして宗教 ――
「永遠真理の下では 見過ごされて良いものなど ひとつとしてない
大切で……意味がある」
この実在世界、宇宙を本体とするスタンド！！
能力はッッ
「無限抱擁／透徹理解」！！！
この世の出来事すべてを包含し！
自らの内に変化のすべてを保有するッッッ
過去現在未来を問わず！
物質的なものであろうと精神的なものであろうと！
あらゆる経験、あらゆる事実を観取し、総合して理解しているッッッ！！
個々の人間が決して知り得ぬ、あらゆる「真理」の意味全体を所有する……
変化と拡大を続ける「永遠真理」そのもの！！
それがッッ
「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド（この素晴らしき世界／ＷＡＷ２）」！！！
（破壊力：なし スピード：Ａ 精密動作性：Ａ 射程距離：∞ 持続力：∞ 成長性：∞）
※ＷＡＷ２は、原作者ジョサイア・ロイスの言う「実在的経験の全摘要」あるいは「万物を統一的に見る世界包括的な理性」をジョジョ風に言い表したものです。
ジョサイア・ジョイス
「君らと語り合うのも、あともう少しだな。
言ってみれば、
「我々の旅は…
………
ついに終点を迎えたわけだ」（※１）」
イラスト：森子（お問い合わせはpixivへ）
広瀬康一
「そうですね……
残されてる問題は、「忠義への忠義」の真価、そして忠義とＷＡＷ２の関係ですね」
ジョイス
「ああ。忠義の最終定義を明らかにし！
さらにその先へと、話を進めることにしたいね」
広瀬由花子
「その先？」
ジョイス
「忠義と宗教との関係だよ。
ニーチェの言う「超人」との関係、とも言える」
康一
「はあ……
何か、宗教って言うとちょっと構えちゃう感じがありますけど……
怪しい新興宗教とかも多いですし……」
ジョイス
「宗教とはッッ
情緒を通じて!
また適切な想像力を通じて！
永遠なるものと忠義の精神とを解釈することッッッ！！
個別の宗教、例えばキリスト教だとかをオススメするわけじゃあないよ」
由花子
「その定義の宗教だと、奇跡とか天使とか霊験とかとはあまり関係なさそうね」
ジョイス
「そうだな。
ともあれ、まずは「忠義への忠義」の真価、忠義とＷＡＷ２の関係だ。
まず、前回の話でも定義したことだが、
真理とは「有益で、役に立つ観念」であり、真理を得ることは成功をもたらすこと」
康一
「そして、忠義の人は自らの「義」のために「真理」を求める！！ですね。
何といっても、「義」のために役立ちたいと思っていますから」
由花子
「でも、その行動――「真理の求め方」がうまくいってるかどうかは、ＷＡＷ２に照らしてみるしかない……
あらゆる事柄を総合して理解する究極の理性、ＷＡＷ２に」
ジョイス
「とはいえ、僕らはあくまで自分自身で考えなくちゃあならない。
直接たずねたところで、ＷＡＷ２は答えちゃくれないからな。
「えーと、どうだったかなァァ？」とこれまでの自分の経験を思い出して考えて見たり、
友人からアドバイスを受けたり、図書館とかで文献を調べてみたりするわけだ。
ともかく試しにやってみる、ってこともあるな。
自分の行動や考えが正しいかどうか立証を得ようとするなら、誰だってそーする、僕だってそーする。
しょっちゅうポカをやらかしちまうことは承知の上でね」
康一
「その時はうまくいって正しいように見えても、後になって「ま…まさかッ！ そ…そんな バカな！」（※２）ってことはよくあります」
由花子
「真理とは、あくまでも「立証されつつある観念」だったわね」
ジョイス
「忠義に生きようとしていても、僕らはミスをする人間だ。
この世の出来事すべてを包含するＷＡＷ２の中でできる限り、自分の道を探そうとしている存在だよ。
「真理」とは、どこかの誰か――
過去、現在、未来を含めて、何者かによって立証されるもの。
自分以外の誰かにとっても、「有益」で「役に立つ」ものだ。
そもそも、実在するものすべては、
誰かしら意識ある者にとって「ここにある」と認識できるもの。
物質的なものでも、精神的なものでもね。
すなわち、事実について僕が何か問う場合、それは
「ある者が実際に認識した経験、事柄とはどんな内容なのか？」
とたずねているのとイコールなんだ」
康一
「誰かの体験や考えを聞くことはもちろん、本や文献を調べることも結局はそういうことですね」
由花子
「そして究極的には、ＷＡＷ２がどういう経験、事柄を含有しているか？
それを問うていることになる」
ジョイス
「そのとおり。
真理の追究、事実の探求とはッッ
ＷＡＷ２の織り成す人類経験の無限タペストリー、その内容を知ろうとすること！！！
僕らの知る真理の断片すべてを織り込んだ、その真理体系＝「永遠真理」はどんなものかを！
見出そうとする努力に他ならないッッッ！！」
康一君への愛情すべてを編み込んだセーターよ……
康一
「ＷＡＷ２の能力は「無限抱擁／透徹理解」。
そしてぼくらは「有益なもの」「役立つもの」をいつだって求めてます。
つまり「真理な観念」を欲しがるぼくらは、
「ＷＡＷ２すなわち究極理性の見解に一致する観念」を持ちたがってるってわけですね」
ジョイス
「そう、僕が「真理な観念」を得るならば、その観念をＷＡＷ２もまた「真理」と意識している。
それでこそ、僕の真理追究は「成功」したことになる！」
由花子
「自分で「真理を見つけた！」って有頂天になってるだけじゃあダメで……
ＷＡＷ２がそう認めなくては「真理」とは言えないってことかしら。
もちろん、ＷＡＷ２が直接「○×つけてくれる」わけはないんでしょうけど」
ジョイス
「僕の真理獲得が成功した！ってことが確実となる……
それはＷＡＷ２が！
「僕の観念とその対象である事実、そして僕の努力」という形で！！
僕の成功を実際に観察することッッッ！！
なぜなら、ＷＡＷ２はそれらすべてを内に含み、総合的に判断、正しく位置付けてくれるからだよ。
僕がこの世界に関する真理を得る場合ッッ
僕自身の意識はＷＡＷ２の意識と融和！！
その断片となっているッッ
成功を手にし！
真理と共に歩むには！！
正しくＷＡＷ２の意識の一部となるしかなァァァいッッッ！！」
康一
「うーん……２１世紀のインターネット環境で言うと……
情報をネットにアップしたら、ＡＩが内容を解析してタグ付け、他の関係ある情報に結びつけてくれる、なんて機能ができつつありますけど……
それに近いような感じですかね。
この例で言うと、ＷＡＷ２はインターネット全体を包括する究極のＡＩ。
ぼくらは、がんばって作った動画だとか、頭をひねって書いた記事だとかをアップする。
ＷＡＷ２はそれを正確無比に解析して、価値あるものなら「成功」のタグと共に関連情報のタグもつけて、検索されやすくしてくれる。
つまり、ネット上に正しく配置してくれる。
そうでなければ、作品がネット世界で成功する……
「有益」「役に立つ」ものにはなり得ない、と」
由花子
「じゃあ「真理」を得ようとして失敗しちゃったらどうなるのかしら？
「義」のために成功しようと思って、忠義に努力してもやり方が間違ってたり、運が悪かったりしてダメだった場合は……」
ジョイス
「実のところ、その場合でもＷＡＷ２は僕らを正しく位置付けてくれる」
康一
「失敗してるのに、ですか？」
ジョイス
「ある事柄について、真理の追究に失敗する……
それは、その事柄に関してＷＡＷ２の意識と一致できないということ。
ＷＡＷ２の意識における正しい位置を見誤っているんだ。
だがその失敗は！
やはりまた事実ッッッ
ＷＡＷ２にとっての事実だ。
僕が真剣でありながらもドジを踏み、ミスをやらかしちまっている場合！
ＷＡＷ２は、僕の試みがどれほど真のゴールから離れているかを知る。
だが同時に！
「真理」を求める僕の忠義をも観て取っている！！
そしてＷＡＷ２は自らの包括する、人類経験の無限タペストリーにおいて、僕の試みを正しく位置付けてくれる！！！」
由花子
「それって……
うまく「真理」を得られた場合と同じ……
ＷＡＷ２は努力をよく見ていて、正しく評価してくれるってこと……？」
ジョイス
「１９世紀アメリカの大プロモーター、スティーヴン・スティールは言った……
「真の『失敗』とはッ！
開拓の心を忘れ！
困難に挑戦する事に
無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ！」（※３）
そう、忠義に「失敗なんか存在しないッ！」
エンディングテーマ Prince / Soft and Wet
「さすがにそうは言い切れないんじゃあないですか？
ダメな忠義もあると思いますけど……」
次回、忠義の究極の定義が明らかに！
忠義の定義ＡＣＴ４ッッッ！！！
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※１：『ジョジョの奇妙な冒険』２５巻
※２：『ジョジョの奇妙な冒険』５巻
※３：『ジョジョの奇妙な冒険ＳＢＲ』第１巻
(了)
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