ジョジョの忠義な哲学 第7部 4 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

本日は、バケツリレー様の寄稿コラムです!

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ジョジョの忠義な哲学 第7部 4 ~バケツリレー様

ジョサイア・ジョイスが語り直す、名著『忠義の哲学』!

(これまでを振り返るのはこちら

 (第1部第1回はこちら 4部までのまとめ  5・6部のまとめ

 

(登場人物紹介ページはこちら

 

プラグマティズム(実用主義)によれば、

「真理」とは、誰かによって「役に立つ、有益である」と「立証」された「観念」!

 

我々人類は、個人的に「立証」してみなくとも、「どこかの誰かが立証してくれたはずさ」と信じて数多くの観念/仮説を「真理」とみなして生きている。

 

一方、「忠義」の人は、「個人を超越した総合の世界」、そこに存在する「宝の価値」を信じるからこそ、自らの「義」のために懸命に行動できる。

 

 

だが、その「総合の世界」について、誰かが「立証」しきれたことはあるのか?

 


ジョサイア・ジョイス
「僕が言いたいのは、「真理」には「個々の人間にとって役立つ」以上のものが無数にある――
「個人的便益の総合計」って言葉だけじゃあ、人類の求める「真理」を表すには不十分ってことさ。

別の例を出すなら、
「多くの人々の経験の集積は実在する」という観念

 

 

広瀬由花子
「それって……過去から現在まで、人類が得てきた知識や知恵ってことかしら」

 

 

広瀬康一
「目に見えるものとしては、本や文献という形で図書館に所蔵されてたり、インターネット上に蓄積されたりしてますね。
日々増えていく人類の経験全体からしたら、ほんの一部分でしょうけど……」

 

 

ヘンリー・アーミテイジ
「もちろん、そういう経験集積は存在するわい。
でなけりゃあ、歴史上ッッ
多数の研究者たちの努力の上に構築された自然科学は全く崩壊しちまう。
わしらの生活上の常識も、仕事も社会も成り立たん。

 

フグには毒がある! 
それは、フグを食って死んだヤツがいた!

そういう経験を人類が得たからこそ、わかったことなんじゃ。

 

経験集積は明らかに!
巨大な「現金価値」をわしらに与えておる!!
すなわち、「経験の集積は存在する」=「真理」じゃ

 

実はぼく、フグ食べたことないんだよね……(広瀬康一)

イラスト:森子(お問い合わせはpixivへ

 

 

ジョイス
「だがやはり、その巨大な「現金価値」すべてを体験し得た個人は存在しない。
個人としては、自分の人生、自分の経験の範囲内で恩恵を受けるだけさ。

 

フグを喰う時どうするか……「殺してから 毒の部分をとりのぞいて食べればいい!」」(※1)とかね。
すなわち、いかなる個人も「人類の経験集積は存在する」、その真理の全体を「立証」することはできないッッッ

 

そもそも人は!
自分以外の誰の経験も、実際に経験することはないからな」

 

 

ヘンリー
「ふーむ……
確かに、わしらの誰も「立証」することはなかろう。
しかし、じゃ。
わしらはそれを「立証」済みとして、「現金価値」の手形を受け取るんじゃよ。
信用取引ってやつじゃな。

何せ、誰の人生にとっても「有益」だからのォ」

 

 

ジョイス
「その信用、かなり危ういものなんじゃあないのか?
実用主義/プラグマティズムにおいて……
ある観念の「現金価値」はすなわち、どこかの誰かによって「真」「有益」であると「立証」され得ること
、だろう?

 

だが「人々の経験集積は存在する」というこの観念、
こいつは定義上、「人々の経験集積は、そのうちの誰か一人が直接経験することはできない」ことを意味するはず。
とすると、
本質的にいかなる個人もこの観念を「立証」することはできないッッッ」

 

 

康一
「……ああ~、そうですね……」

 

由花子
「じゃあこの場合……「現金価値」の手形はいわゆる「不渡り」……
実は換金できない、価値のない紙屑ってこと?
だけどわたしたちは実際、「人々の経験の集積は存在する」=「真理」だと思っているわよね。
でなくちゃあ、世の中成り立たないもの」

 

 

ヘンリー
「そうともじゃ。
わしらは信じておる!
「過去から現在まで、多くの人間が存在し、その経験も積み重なって存在する」……
それが事実じゃとな。

 

理由は!
わしらの人生じゃよ。
それぞれ「長い時間」をかけて!
わしらは自分の人生の中で、この観念と自らの経験とが一致するということをッッ
すなわち、わしらにとって「有益」な観念であることを!
理解し、「立証」しておるッッッ

 

 

ジョイス
「ほお~お、それで人生どの時点で「長い時間」が経過したと言えるんだ?
活力にあふれた青年期か?
仕事のコツを会得した頃か?
それとも老成して若気の至りが消え失せた時か?」

 

 

康一
「いや、フツーに考えると一生かけて模索するんじゃあないですか?……」

 

 

由花子
「自分の無知を思い知らされる度、「人々の経験集積」から得られる少しばかりの知恵…… ほんの断片とはいえ、その「現金価値」に気づく。
その繰り返しが人生じゃあないかしら」

 

 

ジョイス
「それじゃあ「立証」には全く不十分だよ。
自分の「長い時間」に照らして確かめるってーならッッ
僕の生涯全体を俯瞰し!
「長い時間」において何が僕にとって「有益」かを!
見抜かなくちゃあならないッッッ

 

だがそんな慧眼、誰も持てはしない。
両親だろうと祖父母だろうと教師だろうと、生きた人間には無理な話さ。
断片的で不確実な予想がせいぜいだね。

 

無駄だ、無駄ッッ
何度も同じ事を言わせないでくれよ。
「人々の経験集積は存在する」というこの観念、確かに「真理」ではある。
だがそれを僕ら人間が「立証」することはできないッッ

 

真理の意味全体を!
個々人にとって「役に立つ」「有益だ」といった言葉で、定義し尽くすことはできないんだッッ
決して!!

 

 

ヘンリー
「なにが決してだッ!
それじゃあお前さんは何を根拠に「真理」だと言い切っておるんじゃよーっ??」

 


康一
「……真理の意味全体を「立証」できる者がいるとするなら……」

 

 

由花子
「それは、「人間を超えた者」……?」

 

 

ヘンリー
「まさか、それは神!とでも言うんじゃあなかろうのォォッ?」

 

 

ジョイス
「僕はそれを「神」とは呼ばないがね……
永遠にして絶対なる存在だ

 

 

ヘンリー
「オー! ノーッ
わしの嫌いな言葉は一番が「絶対」で二番目が「永遠」なんじゃぞーッ」

 

 

ジョイス
「あんたが嫌いなのは、原初から完成された形で存在し、変化することのない永遠絶対の秩序だろう?
そういうのとは違う」

 

 

康一
完成されてないのに、絶対……?」

 

 

由花子
永遠に成長、変化を続けるってこと?」

 

 

ジョイス
「そいつはッッ
この実在世界、宇宙を本体とするスタンド!!

 

 

康一・由花子
「え?!」

 

スタンドとは?!


ジョイス
「僕自身がそのスタンドを見た!
というわけではもちろんないが、そう考えるとわかりやすい。
プラグマティズム流に言えば、「有益」だ。

 

スタンドの名はッッッ
「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(WAW2/この素晴らしき世界)」!!!

 

 

ヘンリー
「オイオイオイオイオイオイオイオイオイ
その名前……お前さんが勝手につけたんじゃろ?」

 

 

ジョイス
「そうさ。
何事にも、ふさわしい名称と定義が必要だからな。
僕の師、ロイス教授は「実在的経験の全摘要」あるいは「万物を統一的に見る世界包括的な理性」と呼んでいたがね」

 

 

康一
「スタンド……ということは、そのWAW2、何か能力があるんですね?」

 

 

ジョイス
「無論だ。
能力はッッ
「無限抱擁/透徹理解」!!!

 

 

由花子
「どこまでも優しく、賢い……「静」なる能力ね」

 

 

ジョイス
「そして、人間をブッチギリで超越した最大のスタンドさ。
WAW2は、この世の出来事すべてを包含し!
自らの内に変化のすべてを保有するッッッ

 

過去現在未来を問わず!
物質的なものであろうと精神的なものであろうと!
あらゆる経験、あらゆる事実を観取し、総合して理解しているッッッ!!

 

 

康一
「……つまり、WAW2こそが人々の経験集積の持ち主だと……」

 

 

ジョイス
「そうだ。
世に生きる人々の経験……見たこと聞いたこと考えたこと、表現や行動のすべてを永久に保持する

 

 

由花子
「私たちがどうがんばっても断片的にしか得られないもの……
「人々の経験集積」の「現金価値全額」を得られるのはWAW2だってことね」

 

 

ジョイス
「ああ。
WAW2は個々人にとって「役に立つ」「有益だ」という以上の価値、
真理の意味全体を知る。
しかも、あらゆる真理のを、だ。

 

例えば「国家の自由、自主独立」だが、その真理な観念の価値全体……
すなわち、僕らの過ぎゆく人生よりもずっと高いレベルにある「宝」。
WAW2はそれを手にし、その価値を完全に理解する

 

 

康一
「義」とはッ
1 自分自身の「外」にあって、自分自身よりも価値がある
2 単なる個人意思を超越している
3 人を他者と結びつける(絆を生み出す)

この3つを満たすもの……

 

例えば「地域の発展」「国土強靭化」「不当な格差解消」とかでしょうけど、
これらの「義」は多くの人々を結び、絆を作り出す……
彼らにとって忠義の対象となる「有益」な観念。
つまりは真理ですね。
ただ、それらの「益」全体を得る、その意味全体を、忠義の本当の価値を知るのはWAW2だ、と」

 

 

ジョイス
「地域や国家、社会もそれはそれで忠義によって、個々人を超えた益、価値を得るものだろうがね。
だがそれらすべてをも包含し、全体を理解するのがWAW2なんだ」

 

 

由花子
「さっきから「理解する」って言ってるけど……
そのスタンド、人格や意思があるの?」

 

 

ジョイス
「もちろんあるさ。
団体や法人というものにだって、個々人を超えた意思があるだろう?
リーダーや中心メンバーの意思を多く反映はするだろうが、あくまでもそれと同一のものじゃあない。
全体としての国家意思、会社としての意思決定、といったものがあるのと同様さ」

 

 

ヘンリー
「お前さんの話だと……
WAW2はそれぞれの忠義の価値全体を、本当に役立つものかどうか、「真理」なものかどうかを知っとる。
そしてあらゆる真理をひっくるめて、宇宙全体の真理として所有しとる
、ということじゃろうが……

 

わしら人間は所詮、その断片にしか触れられん。
限界のある自分の感性、知性で推し量るしかないんじゃろ。

 

とすると……
群盲象をなでるッッ
WAW2について!
この実在世界について!
お前さんの見解が正しいと、どうして言い切れる?!」

 

 

ジョイス
「すべての経験と、立証されるあらゆる真理を包括する……実在世界全体のスタンド。
それを名付けて「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」と呼んでるんだぜ。

「WAW2が存在しない」という主張は、「真理全体は存在しない、ということが真理の全体だ」というのとイコール。
明らかに矛盾だよ

 

 

エンディングテーマ  AC/DC  / Dirty Deeds Done Dirt Cheap  (D4C)

 

 

次回、第7部最終回!

 

結局のところ、自分の人生の真価は、僕らにはわからないんだ。
それは「義」と共に、永遠真理に属すもの。
WAW2だけが知るものなんだ……

 

 

 

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※1:『ジョジョの奇妙な冒険』第7巻

 

 

(了)


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