21日は大倉集古館での特別展「芭蕉布」を観てきた。


沖縄復帰50周年と、芭蕉布の復興に力を尽くした、人間国宝・平良敏子さんの百寿に寄せての企画。


芭蕉布は糸芭蕉を原料とし、琉球王朝からの伝統的な織物だったが、戦後滅びかけていた。


この伝統技法が失われることを惜しみ、沖縄本島北部の大宜味村喜如嘉(きじょか)に設けた工房で、芭蕉布の伝統の継承に心血を注いで2000年に人間国宝に認定されたのが、平良敏子さん。


伝統技法を残しつつ、新しい柄の開発にも挑む平良さんと喜如嘉の盟友たち、友部(ドゥシビー)とともに、作り上げた約70点の作品が公開される。



①大倉集古館。入口に芭蕉布展の案内が

②今回の展示のフライヤー(表)

③フライヤー(裏)

④ミュージアムショップで図録をもとめました。

横に置いたのは、芭蕉布で作られた菓子切り入れ。


記念に何か一つは芭蕉布の物を買おうと思ったものの、数寄屋袋は高価で手が出ず、ヤシラミ織の菓子切り入れに(笑)


 芭蕉布 着物「ムチリーくずし」

「十字絣を複雑化した縦緯絣。高度な技術を要し、また時間もかかるので、なかなか見ることのできない絣柄である。」

(図録より)



今回の展示の中で一番好きだった芭蕉布の着物。

番匠(バンジョー)や小鳥(トゥイグヮー)などの典型的な絣柄もよいが、この幾何学的なモダンな雰囲気もただよう柄が、私の中ではNo. 1

この着物は、和服仕立て。


⑥「芭蕉布 琉装着物「藍 クヮーサー アキファテ柄」

飽き果てるほどよく作ったという意味のアキファテ柄。定番の柄だが、部分的に絣の間に地色を挟むこたで現代風の印象を与えている。」(図録より)



No.2はこちら。柄も好きだが⑤が和服仕立てになっているのに対して、こちらは琉装仕立てなので、その対比のために。

広袖で、身八つ口、振りがなく、袖下には三角形のまちをつける。ウシンチー(下着の上の内紐に挟み込むようにして着付ける)にするため襟が長いなどの特徴がある。


⑦芭蕉布 琉装着物 「型付(カタチキ)舞菖蒲」

芭蕉布の地を糊で防染し、藍の顔料で菖蒲の柄を染めた紅型の作品。歴史ある「城間びんがた工房」とのコラボレーション(図録より)


No.3はこちら、芭蕉布と紅型(藍型)という琉球の染織の魅力をぎゅっと凝縮したような作品。



⑧約30もの工程を経て生み出される芭蕉布。

芭蕉の皮を剥ぎながら4種類に分ける「苧(ウー)剥ぎ」原皮から繊維をしごき取る「苧引き」、「撚りかけ」染まりやすくするため木灰汁で煮て精錬する「煮綛(ニーガシー)」などの作業を根気よく積み重ねて生み出される。


(⑤⑥⑦⑧は図録より写真お借りしました)


なお、この展覧会には着物割引もあるため、素敵な夏着物姿の方もお見かけしました。