競争優位の戦略

~3つの基本戦略~

③コストリーダーシップ戦略(低コスト戦略)

同種の製品を競争企業よりも低いコストで生産する戦略

大量生産による低コスト製品を提供する事よりもシェアを高め規模の経済性や経験曲線効果を得るよりも、一層の低コストを実現する。

※あくまで低コストであり、必ずしも低価格で販売することはない。

 

●規模の経済性

企業の規模や生産量が増大するに従い、平均費用(製品1個あたりの生産コスト)が逓減していく現象

同じことをコスト面からではなく生産面から実現すると、生産要素の投入量が増えるに従い、増加以上に産出量が増えていくことになり、これらを収穫逓増という。

↳収穫逓増は、産出量を倍にするためにはすべての生産要素を倍にする必要がない場合、規模の経済性が働いていることになる。

※「範囲の経済性」「経験曲線効果」を比較して学習すると規模の経済性が理解しやすい

 

④集中戦略

差別化戦略やコストリーダーシップ戦略が広い市場をターゲットとするのに対して、市場を細分化し、自社の能力にマッチした一部のセグメントに焦点をあてる。

↳その市場において、差別化の面もしくはコストの面優位に立とうとする戦略。

 

図1各競争戦略のもつリスク

 

差別化戦略

競合企業の模倣により、差別化された特徴の優位性が喪失するリスクがある。

 

コストリーダーシップ戦略

競合企業がこの戦略を模倣し、利益を度外視した価格競争が行われリスクがある。

 

集中戦略

ターゲットセグメントが狭いため、経営資源を豊富に有する競争業者との差異が失われた場合に、大幅にシェアを失うというリスクがある。