転居した国府宮は、野菜なの生産の盛んな地でした。治郎丸という地域には特産の法蓮草がありました。
引っ越しの翌日、賑やかな音と声がするので、国府宮神社の杜に接する家の外に出てみると、子どもを中心に囲んでいる集団の中に米軍兵の車列がありました。
車やトラックから出ると、米軍兵は、お菓子などを集団に投げ入れるのでした。わたくしは、その集団から離れて茫然として見ておりました。
すると、ひとり、黒人兵がわたくしのところまで近寄り、笑顔で、わたしにも子どもがいると身振り手振りを加えて話し掛けてきました。そして、缶詰の入った袋を渡すとともに、手を握りしめました。わたくしも、その手のぬくもりの残った手を振り、彼らの車列が消えるまで見送っていました。