家の前の神社で遊んでいると姉から呼ばれ、引っ越しのトラックの助手席に手を取られ座った。姉たちは荷台に上がった。3歳の3月の末の暖かい日だった。

引っ越し先に近づくと、運転手さんは、わたくしに、町の案内を始めた。ここが、操車場で、駅はここという具合にだ。川岸の道では、国司の開いた用水と、焼け爛れた工場の跡の横では、空襲の跡と、畦道を渡れば、田の中の池のようなものを焼夷弾の作った穴と、幼いわたくしにも解る説明でひとつひとつ教えていただいた。