わたくしの記憶の始まりは、3歳、引越しから始まります。

 

医院の二階を借り、住んでいた前の神社でひとり遊んでいたわたくしが呼ばれ、引っ越しのトラックの助手席に乗ることになりました。

いよいよ新しい家に着こうとする少し前から、運転手さんから「この田んぼの穴は焼夷弾が落とされてできたもの。」「空爆で壊された工場の跡地がここ。」などと説明され、「戦争は厭だね。」と何度も聞かされました。

今も記憶に残る鮮明な画面です。

その光景がわたくしの記憶の画面の始まりなのです。