自治体が運営している、弁護士への無料相談。

一か月ほど前から予約して

やっとこの日がきた。

 

 

財産・ローン関係のことを解決しないと

ダンナは絶対に離婚には応じないとわかっているため

それについての相談をするつもりだった。

 

 

相談場所に向かう頃から、雨が降り出し

到着した時にはどしゃぶりの雨。

 

 

今思うと、何か暗示しているような天気だった。

 

 

入室すると

目の前にいたのは高齢のおじいさん。

この人が、相談を受けてくれる弁護士だろうとは想像がついた。

 

 

そして、向かって右手に中年の男性と女性。

相談受付などをした、スタッフの人だろう。

 

 

向かい合って座ると

弁護士はコーヒーに大量の粉のミルクを浮かばせて

一口飲んで、話し始めた。

 

 

その時、事前に記入した私の相談シートに

口から一滴のコーヒーがこぼれた。

ごしごしと、自分の袖で拭く。

 

 

その時点で、うわ・・・と思ったけど

高齢だし、しょうがないと自分を納得させる。

 

 

弁護士からは失礼、とか、すみません、とか

謝罪の言葉は一切なかった。

 

 

相談シートを見て、内容が離婚についてだとわかると

その人は開口一番、こう言った。

 

 

「あなたは、ダンナさんと一緒に住んでいるの?

中には暴力とかでシェルターに避難してる人とかもいるのに

住んでるんだ。

よくいるんだよね、こういう人」

 

 

まるで、こちらが軽い気持ちで遊びに来た、といわんばかりの口調。

そして、相談シートの一番下に書かれた養育費と慰謝料の文字を見た。

 

 

「養育費? 慰謝料?

そりゃ、誰だっていっぱいほしいよね。

逆を考えてごらん。

ダンナさんはもちろん払いたくないよね

みんな、そういうことよく言うんだよね」

 

 

「みんな、よく言う」という発言に、ものすごい引っ掛かりを覚える。

この人は私の味方?それともダンナの味方?

 

 

今日、一番聞きたかったローン返済の問題と

家の名義については

 

 

「そりゃ、ローンは払いたくないよね。

家の名義は自分がいいよね。

ダンナさんにしてみれば

自分名義の家に、奥さんと子供だけが住んで

ローン払うなんて、イヤに決まってるよね

 

すぐ離婚とか言うけど

別れて幸せになれるかどうかわからないよ

苦労するかもしれないよ

それわかってる?」

 

 

「その覚悟があるから、相談に来たんです」

 

 

この人、お説教したいだけじゃないのかと感じる。

肝心の問題解決方法は、何一つ話してくれない。

この時点で、私は相当イライラしていた。

 

 

相談時間は20分しかない。

聞きたいことはいろいろあるのに

この弁護士は

「よくあるパターン」

「ダンナさんの立場に立ってみろ」

その繰り返し。

 

 

私が解決方法について尋ねると

「そんなの、

ローンを誰が払うとか、名義をどうするとか

ダンナさんがOKと言えばOKだし

ダメだったら家庭裁判所に決まってるでしょ」

 

 

・・・「そんなの」?

・・・「決まってる」?

 

 

人が真剣に悩んで、一か月待って相談したことは

「そんなの」呼ばわり。

弁護士からすれば「決まってる」ことかもしれないけれど

法律の知識が少ない人間からしたら

全然「決まってる」ことじゃない。

 

 

この人、ダメだ。

相談する相手を間違えた。

 

 

すると、弁護士はまた言った

 

 

「こういうの、よくあるんだよね」

 

 

あんたにとっては「よくある」ことでも

私には一生に一度のことで、

本当に困っているから相談に来たんだよ!!

 

 

そう、言ってやればよかったけど、気付いてしまった。

この人、ダンナにそっくりだ

 

 

 

自分が一番で、絶対に正しいと思っているところ

 

相手を自己中な人間だと決めつけるところ

 

自分の苦労ばっかりアピールして、

人の苦労なんて見向きもしないところ

 

 

 

気分が悪くなった。

 

「もう結構です。

ありがとうございました。」

 

と、吐き捨てるように言って

部屋を飛び出していた。

 

 

外に出ると、雨はやんでいた。

代わりに、私が泣いていた。

 

 

所詮は無料相談だ。

行かなければよかった。

 

 

改めて、自分で何とかするか

きちんと対価を払って、弁護士に相談するべきだと思った。