先日、緩和ケア研修を受けた。内容は医師として癌からくる痛みや症状を理解し対応するというものだ。加えて、末期がんであることを患者に伝えるロールプレイなども行われた。自分は救急医であるため実地の診療ではこのようなことを行う事はまずない。しかし、末期の患者も救命センターに搬送されることがある。お腹に水がたまって苦しくなったり、肺癌が広がって苦しくなったり、脳転移でけいれんしたりする患者が多い。中には心肺停止で運ばれてくる患者もいて、積極的に蘇生処置をおこなうかどうか迷う場合が有る。かかりつけであればターミナルかどうか窺い知れるのだが、そうでない場合、あるいはターミナルであっても家族が蘇生を希望する場合が有る。家族は1日も長く生きてほし事を希望する。そもそもターミナルであっても本当の余命は誰にもわからない。たとえば予測が1年とされても数年生きる事も有るし、逆の場合もある。心臓マッサージをして、生き返ってたとしてもかえって患者が苦しむ事になるかもしれない。本人、残される家族および医療者すべてが納得する医療を行うことは時にとても難しいと思う。
