歯科医を出ると心地良さそうな雨、「春雨じゃ濡れて行こう・・・」とばかり傘を広げる。

学校帰りの男子(1、2年生)が傘を回しながら楽しげに前を歩いている。

昔ながらの土塀が続く細い道・・・私まで子供気分になっていた。

「そうだあの畑道を通って帰ろう」と決め、信号を渡って裏道に入る。

昔はこの新しい民家も畑だったのだ。

民家の裏には、人と自転車が行き違える小道が続く。未だ畑がそこここにある。

わずかに青菜は育っているが柿や蜜柑や梅の木々は忘れられたようにある。

今は梅の白い花が存在をアピールしているが寂しげだ。(きれいね)と声をかける。

 

物思いを楽しみながら5分も歩くと私が「フェンスの中の雑木林」と呼んでいる畑のそばに来た。

まさに何十年と忘れられたままの果樹園が見事に白い(多分)梅の花をつけている・・・が枝や葉は少ない。

幹だけは黒光りするほどに、オブジェのごとくにきれいだ。何十本もが見渡せる。

その間にチラホラとイチジクやびわの木があるのだ。桜の木もある。

一面下草に覆われ雑草に混じってむらさきけんまやみずたがらし、くさのおおの黄色い花がかわいい。

あちらこちらに地主に見捨てられたような畑があり、田舎育ちの私には哀れでならない・・・

我が家も55年程前、田畑の中の農業用水路の横に立った家だった。

今では周りに家々が建ち並び、立派(とはいかないが)な町になっている。用水路も地下に埋められた。

時代の流れ・・・と共に私もどんどん年を重ね、いい年齢になったしまった(笑い)