悩みは尽きない… | Tadのブログ

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ウロウロ、フラフラしている京都のAround40男(本業:診断“志”資格を持つ経営コンサルタント、副業:いろいろ)が、趣味の世界・日々思うこと・気づいたことなど、いろんなことを書いています。
ちょっとのぞいていって下さーい。


今朝起きて、いつものようにPCを立ち上げ、ニュースサイトを見た。
隅っこのスポーツ欄に、見慣れた名前の混じった見出しが。

「小島貞博調教師 急逝」

急逝?JRAの現役調教師である小島貞博氏が亡くなったって???
はぁ~?って、狐に抓まれたかのような。
よく記事を読んでみたら、原因は自殺を図ったからだとか。

まあ、どこのニュースサイトでも出ているので、死因の詳細はそちらを当たって欲しい。



以前に、「スーパークリーク」という馬についてブログ記事を書いたことがある。
そしてその馬と同等に好きな馬なのが、「ミホノブルボン」という綺麗な栗毛の馬。



そう、1992年のダービー馬。
この馬のジョッキーだったのが、この小島貞博という人だった・・・。


スーパークリークとミホノブルボンの共通点があるとするなら、どちらも超一流の血統でないとされていて
(実際のところは、なかなか渋くていい血統なのだが。要は玄人好みということ)
大抵の調教師や馬主が目もくれなかった、という点だろうか。
にもかかわらず、この両馬は、G1をそれぞれ3勝した。

私はこういう無印(=注目度が低い、高価でない)の馬が活躍するのが大好きだ。
まあ、それは自分と重ね合わせているからということもあるのだけれど。


そういうミホノブルボンを見るにつけ、どんな人達がその馬に携わっているのだろうか、と興味を持ち、
雑誌や本を買っていろいろ調べた。
その登場人物のほぼ中心に、この小島という人がいたわけだ(当時はジョッキー)。

崩壊同然の家庭環境からジョッキーになり、その晩年にダービーを2勝。
勝っても表情をちっとも変えないジョッキーで、なぜと訊ねられれば、
「俺にガッツポーズなんか似合わないもの」と語ったとか。
そういう不器用な方だったらしい。

その後は、得意でない勉強も克服し難関の調教師試験に合格して、ジョッキーを引退し厩舎を開業。
派手に重賞を勝つ感じではなかったけれど、毎年15勝くらいはする厩舎だった。
だから、そんなに悩むことがあったなんて、ちっとも知らなかった。


とにかく生真面目だったそうだから、この世の中を上手く渡っては行けなかったのでは、と思う。
競馬社会は閉鎖的な割に、人気商売のところがあるから、かたくなな信念は却って邪魔に
なることも往々にしてあるのだとか。

そして、そういう人に、案外世間は冷たい。
何でもかんでも「ネットワーク」で済まされる昨今のことだから、かたくなな信念よりも、
根っからの八方美人のほうが好まれるってこともわからなくはない。

しかし、それでも物事を真面目に真正面から捉えて悩む人のほうが貴重だと思うけどね。
(私も、間違いなくそういうタイプの人間だ。でも世間に対してある意味斜に構えたところが
あって、悩みはするものの、深追いはしないし、できもしない)

自身が毎日働いてきた厩舎で命を絶とうとしたなんて、思慮深そうな小島氏らしくもないように
思ったが、そこまで追い詰めたものは何なのだろう。
(でも、後に残る人達のことも少しは考えて欲しかったが・・・きっと厩舎関係者はこの先、もう
この世界では生きていけないのではないかと思うので・・・「あの厩舎出身なんだよ」なんて
うわさが先に立てば、誰も雇ってはくれないだろう)


今はとにかくご冥福をお祈りするとともに、ご家族や関係の方々に少しでも暖かな
心遣いが届くことを祈念したい。


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