“数百人の学生がウトヤ島のサマーキャンプに参加し、活発に国の未来について語り合っている中、突然の銃声があたりをつんざく。
何が起こっているのかわからないまま、仲間たちと森へ逃げ込んだ少女カヤ。
銃声は止むことなく、学生たちは島中を逃げ回る。カヤは恐怖のまっただ中でありったけの勇気を奮い起こし、はぐれた妹エミリアを捜し始めるのだが…。
少年少女たちが無差別に銃撃された72分という時間が、リアルタイムで描かれる。”
(アマゾンの本作解説より転載)
アマゾンプライムで観られるようになったのを機に再見&再掲。
(当記事投稿日現在、プライム会員なら絶賛無料視聴可)
(以下、ネタバレあり)
「我々が日々浴びるように観ている映画では、命の奪い合いが当たり前のように描かれています。
そんな暴力に慣れきった我々の神経を、再び呼び覚ます必要があると思いました。
エンターテインメントとして消費されている死ではなく、無情に命が奪われる瞬間をどう描くことができるか。私にとって大きなチャレンジでした。」
(エリック・ポッペ監督談)
本作の題材となった
ノルウェー連続テロ事件の犯人で、極右思想者でキリスト教原理主義者の、
(お前だけにはヨシヨシされたくねぇ。)
アンネシュ・ブレイビクは、劇中だだの一度もその顔👨🦲が映ることはなく、登場も僅かに3回だけ。
(うち2回はロングショット)
これは(ブレイビクが犯行で意図したように)犯人個人に焦点が当たり、問題の背景が議論の俎上に上がらないことを、エリック・ポッペ監督が危惧したが故の描写に他なりません。
尺の大部分を占める、いまから10年と10日前、ブレイビクによるティーンエイジャーら77人の殺戮が続いた72分間の「当事者」目線を意図したワンカット長回しは(語弊があるかもしれませんが)見応えがありました。
特に、主人公カヤが、事件直前にケンカした妹を探しに自分たちのテントに戻ったとき、テントの外にブレイビクが獲物を探しに来て、カヤが気づかれないよう気配を殺すシーンは、思わず管理人も息を殺してしまったくらいです。
それでも、快適な環境で画面のこちらで鑑賞している身には、実際の1/100も「現場」の空気は伝わらないでしょう。
(銃声も実際のものを忠実再現したら、視聴者は難聴になってしまうくらい凄まじい)
監督は不安だそうです。
この事件をドラマチックなフィクションに仕立てた「娯楽」映画が作られるのではないかと。
拠って、本作における善性のアイコンであるカヤはハリウッド映画あるあるではなく、全く報われない形で
(元記事にはない追記:
監督の危惧が現実化し、ネトフリで本事件の娯楽映画版(脳汁ドバドバ版)が
同事件のサバイバーに拠れば、より事実に沿っている(脚色抑えめ🔉)なのは、ネトフリ版ではなく本作のほうだそう。)
エリック・ポッペ監督は元戦場ジャーナリストという異色の経歴を持つ映画人なので、事実を曲げること(脚色盛り🔊)に対して忸怩たるものがあるのでしょう。
ここで、命の奪い合いが当たり前のように描かれている映画を浴びるように観ている人たちは、
本作を退屈だとかつまらなかったと斬って棄てている方も少なくありませんが、、
彼らは自分が楽しむために観たか、よほど共感力が低い😑か、あるいは子供がいないんじゃないでしょうか。
「黙れ小僧!!」
(モロさん降臨)
「退屈の反対語は、快楽で無く興奮である。多すぎる興奮に慣れると、病的にそれを欲するようになる。
退屈に耐える力を持つことは、幸福に不可欠。偉大な人々の生活は、そと目には刺激的なものではない。」
(バートランド・ラッセル:哲学者・論理学者・数学者・社会批評家・政治活動家)
本作は面白いか面白くないか、楽しいか楽しくないかという二元尺度ではなく、
「観るべきか」
の一点において評価すべき大人の一本
(同監督の作品では「おやすみなさいを言いたくて(2013)」も)
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蛇足:
ブレイビクが犯行🩸に使用したのは、
RUGER Mini14という製の銃を、
盛りまくって厨二タクティカル仕様にしたもので、同国の銃乱射大量殺傷🩸事件の多くで使われたAR-15(米軍のM4A1自動小銃から基本、マシンガン機能(フルオート)を省いただけのもの)と、事実上同等の連射能力/殺傷🩸能力を持っています。
(マニアには耳タコな話ですが、そうでないマジョリティ訪問者さんのために、一応解説)
そんなものがノルウェーではこの事件以後も、狩猟用という名目では買えてしまう
不謹慎かもしれませんが、管理人はつくづく規制の厳しいに生まれてよかったと思います。
誰か管理人に教えてくれ交換式の30連マガジンが狩猟に必要な理由を
そんなにバンバン撃たなきゃ獲物を仕留められないほど下手クソなのか
蛇足の蛇足 :
10年前の事件発生当時、某ちゃんねるだったかどこかでバ●が、
「あの銃カッコいいなんてやつ?欲しい」
みたいな書き込みをしていて、管理人は卒倒しそうに( ゚д゚)
(お前だけにはヨシヨシされたくねぇ。)
それ、こういうことだから
いつの日か、こういうリブログを
いつの日か、こういうリブログを貼らなくてもいい日が来るんでしょうか
(貼らなくてもいい日が、どうかコンマ1秒でも早く訪れますように)
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(最終更新:2022.2.11)