◇監督原作脚本:北野武 製作会社:KADOKAWA 配給:東宝 2023年

 


◇出演者:ビートたけし、西島秀俊、加瀬亮、遠藤憲一、中村獅童、木村祐一、浅野忠信、大森南朋、小林薫、岸部一徳、アマレス兄弟

◇STORY:
時は戦国、織田信長(加瀬亮)旗下の武将・明智光秀(西島秀俊)は反逆者・荒木村重(遠藤憲一)を匿っていることを羽柴秀吉(ビートたけし)に知られてしまい、信長謀殺を持ちかけられる。やがて秀吉はこの日のことを予想して本能寺に張り付かせていた甲賀抜け忍の曽呂利新左エ門(木村祐一)の知らせで本能寺の変をいち早く知る。
一方、本能寺では光秀は信長の首を必死に探しているが見つからない。
ほどなく秀吉は、秀長(大森南朋)と黒田官兵衛(浅野忠信)の活躍により備中から京へ駆け戻る(備中大返し)。山崎にて明智軍は総崩れとなるが、今後は光秀の首が見つからず、あせる秀吉がいた。

◇感想:
本能寺の変をたけしがアウトレイジのノリで描いた印象。全員悪人で向背定まらぬ男たち、互いに疑心暗鬼でいつ裏切られて「首」になるかわからぬ、不気味な緊張感を見事に描いていると思いますね。
信長家臣団の雰囲気は実際にこんな感じだったのでは、と思わせるような作品でした。
史実では光秀は信長の首を見つけられなかったが、秀吉は家臣が埋めた光秀の首を掘り返し、晒し首にしています。ずいぶん高いところに晒したとかで、顔まではよくわからなかったそうな。
貴人の顔なんて知っている者はごく一部だろうし、戦で首が大事にされたのは論功行賞のためなので、一般に晒して死を公にするのに別に本人じゃなくてもよかったんじゃないかな。「首」の一件ではなんか光秀の生真面目さが裏目にでたような気がしますね。

ちなみに最近の研究で、秀吉はやっぱり事前に本能寺の変を知っていないとあの速さで戻れない、という結果が出ているそうです。