◇監督・脚本:山崎貴 配給:東宝 2023年
◇出演者:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介



◇STORY:
特攻隊員の敷島浩一(神木隆之介)は終戦間際の南方戦線・小笠原諸島の大戸島へ零戦の不調で着陸する。しかし大戸島は怪獣ゴジラに襲われ、同島に駐留していた整備部隊は敷島と橘(青木崇高)を残し全員死亡してしまう。
日本に引き揚げた敷島は、赤ん坊(明子)を抱えた娘・典子(浜辺美波)と暮らすことになる。
そこへ米軍の原爆実験でパワーアップしたゴジラが東京を襲う。
元海軍技術士官・野田(吉岡秀隆)、同じく海軍兵士だった秋津(佐々木蔵之介)とともに戦う敷島だったが、零戦の不調を偽って特攻出撃から離脱したこと、大戸島ではゴジラと闘わず橘の部下の整備兵たちを死なせてしまったことに自責の念を強く持っていた。
やがて、野田が立案したゴジラ殲滅作戦に伴い海軍の高性能戦闘機・震電に搭乗した敷島はゴジラと対峙することとなる。


◇感想:
まずは面白かったです。
ゴジラの登場を早めて終戦から立ち直ろうとする日本、そして戦争を生き延びた兵士たちが幻となった大東亜決戦兵器を駆ってゴジラと対決させる発想がすごいと思いましたね。
まず震電。


戦争末期に試作機が完成しており、最高速度は740km/h。30mm砲4門など重武装でB29を撃墜できる能力があった機体です。


これは同じく試作機が完成していたジェットエンジン搭載の橘花もゴジラ戦の候補の上がったのではないかと思いますが、何分ジェットエンジンなので整備できる人が極めて限定され、レシプロエンジンの震電に決定したのだろうなあ、と思いました。


※ちなみに私は、橘花のジェッエンジンを開発した人と若いころに話をしたことがあります。潜水艦で運ばれた設計図だけで作り上げたそうです。すごい技術力ですね。こういう人たちが戦後の日本の屋台骨を作ったのだと思います。
あと、ワンシーンでしたが四式中戦車も登場していましたね。

これは私の出身地相模原市の陸軍工廠で試作されていた戦車で、75mm砲を搭載した当時の世界基準の戦車でした。

そんなこんなでゴジラと闘うのですが、やはりゴジラは強い訳です。
そんな中、いろいろ印象的なシーンがありました。
まず、ゴジラが電車を咥えるシーン、これは初代ゴジラへのリスペクトでしょうか。
また、機雷を咥えたゴジラの口を狙って銃撃するシーン、これはジョーズのラストと重なりましたね。

エンターテイメントとしては最高の出来だと思いました。