驚きの記事を目にしたので、少しばかりコメントを(^-^)
“金融緩和と財政出動に積極的なリフレ派。経済学者の間では「異端」と位置付けられる。”(*1)
「経済学者」とありますが、これは「日本の多くの経済学者」を指していると思われます。
ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマンとスティグリッツは、アベノミクスで行われた大胆な金融緩和を支持しており、更なる財政拡大を主張されています。ピケティやセンなども、同様です。
日本経済新聞は、財務省や日銀がネタ元になるせいでしょうか、世界標準よりも「官僚標準」を起点に「異端」と位置づけているように感じます。
非常に残念に思います。子会社のFTでは、マーティン・ウルフ氏が鋭い記事を書いているのとは、次元が異なるように感じます。
世界標準やノーベル経済学賞受賞者からすれば、デフレ下で消費増税は「異端」というより「異常」と思われかねません。
「デフレは日銀に金融政策によって避けることが出来たか?」という問いに対して、海外の経済学者らは同意しています。
Japan’s Deflation
The persistent deflation in Japan since 1997 could have been avoided had the Bank of Japan followed different monetary policies.
http://www.igmchicago.org/surveys/japans-deflation
ところが日本では、ユニクロデフレ説、チャイナデフレ説、人口減少デフレ説などのトンデモが、流布される残念な状況です。
碩学と言われた白川方明(しらかわまさあき)元日銀総裁も、人口減少デフレ説を…(恥ずかしいです)
更に、日本の経済紙(社名は伏せますが)の中には、「(リフレ派の)岩田規久男を(紙面に)出すな!渡辺喜美を出すな!」ということが言われていたそうです。
残念なメディアが「異端」というものが実は正しく、異端扱いされている世界標準の経済学や学者からすれば、日本でのデフレ維持や増税などの緊縮策は、「愚か」に映ることでしょう。
そして、記事(*1)は、次のように結ばれる。
“日銀が金融緩和で購入した国債は発行残高の4割に達したものの、政府・与党内で異次元緩和の副作用を正面から議論する機運はない。黒田日銀は危うさを抱えたまま船出する。”(*1)
省益のためなら組織的に文書書き換えをする財務省や、増税のために財政危機を煽りたいかのような日本の(一部を除く)経済学者とメディアの「世界標準」から見れば「愚か」な言説の「副作用」を議論することなく、日本経済新聞の記事が一般読者に読まれてしまう。
誤った情報からは誤った判断が生まれる。
日経新聞の読者を世界標準の経済学から外れた「異端」にするかどうかは、日本経済新聞ならびに子会社のFT(こちらに期待)にかかっているのかもしれない。
(*1)金融政策、2人の「異端」に傾倒(シンゾウとの距離): 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28350350Q8A320C1SHA000/