懸案の日銀正副総裁人事が、3月16日衆参で可決され(*1)、黒田東彦日銀総裁、若田部昌澄副総裁、雨宮副総裁の就任が確実となりました。

若田部昌澄副総裁を除いては、やや不満が残る人事案ですが、正副総裁が空席となって、雨宮氏が総裁代行となる恐怖からは逃れることが出来ました。

若田部昌澄副総裁、片岡剛士日銀審議委員に期待したいと思います。原田泰日銀審議委員のこれからにも、少しだけ期待してみます。



(*1)黒田総裁再任、参院で可決 副総裁に雨宮・若田部氏: 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28204950W8A310C1MM0000/


参院では、各人事案に対する賛成反対が公開されていました。

どの政党、議員が金融緩和に対してネガティヴなのかを伺い知ることができます。


黒田氏 投票総数 234 賛成票 161  反対票 73

民進党・新緑風会( 42名)、日本共産党( 14名)、立憲民主党(  6名)、希望の会(自由・社民)(  6名)、希望の党(  3名)などが反対

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/196/196-0316-v002.htm


若田部氏 投票総数 233 賛成票 165  反対票 68

民進党・新緑風会( 42名)、日本共産党( 14名)、立憲民主党(  6名)、希望の党(  3名)などが反対

山本太郎は賛成(驚)

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/196/196-0316-v003.htm


雨宮氏 投票総数 235 賛成票 171 反対票 64

民進党・新緑風会( 42名)、日本共産党( 14名)、山本太郎議員らが反対

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/196/196-0316-v004.htm



そして、日経新聞には、早くも残念な記事(*2)が…


“日銀では金融政策を立案する企画局が長く、「20年近くにわたり、デフレとの戦いの最前線に身を置いてきた」(雨宮氏)”(*2)


最前線でインフレと戦っていたか、デフレ維持に尽力していたかのような物価上昇率ですが(汗



“金融緩和だけで物価が力強く上がらないことはこの5年間で実証済みでもある”(*2)


「金融緩和だけ」ではなく、消費増税という大きな緊縮策の実施がありましたよね。

FTのマーティン・ウルフの記事などを読んで勉強して欲しいものです、記者の方(汗



“速水優、福井俊彦、白川方明の歴代総裁を支えながらも、黒田体制に代わるやいなやバズーカとも呼ばれた強力な緩和策をお膳立てするなど、柔軟さが売りの雨宮氏の知恵が問われる”(*2)


安倍総理が退陣したり、黒田東彦日銀総裁が任期途中で退いたりした場合に、元の「デフレ維持元」に戻るリスクを示唆させる「柔軟さ」ですね(汗



“雨宮氏が副総裁として実績を重ね、満を持して総裁に就任するというのが多くの日銀関係者が描くシナリオだ。日銀エースに託された期待と課題はこれまで以上に重たいはずだ。”(*2)


日銀プロパーが総裁だった約15年間は、デフレ維持元でしたので、もうコリゴリです(汗



(*2)日銀のキーマンはピアノマン 黒田体制2期目を読む: 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28208590W8A310C1000000/



頑張れ日銀(^-^)