The Bank Of Japan May Not Reach 2% Inflation Target, But That's No Reason To Change Monetary Policy via @forbes ( 2017.12.07 , Masazumi Wakatabe )
最近の黒田日銀総裁発言や総裁の発言を評価するエコノミスト等のコメントで、黒田日銀の「変化」について触れられます。
1.リバーサルレートを黒田総裁が取り上げたこと
2.YCCの利回り引き上げ発言(黒田総裁と親しい伊藤隆敏教授)
3.識者によるインフレ目標2%の引下げ
1.のリバーサルレートは実証がある訳ではないそうですが、この話題を取り上げたことで、(マイナス金利に不満のある銀行への配慮を示したとも受け取れ)金融政策を引き締めへの兆しがあるとみられた、と。
若田部昌澄さんは、これら(1〜3)があろうとも、拡張的な金融政策を(引き締め方向へ)変えてはならない、と。
安倍総理が衆院で、物価安定目標2%を変える必要はない、と明言されたことを紹介されます。
拡張的金融政策を継続すべき理由として、3つ挙げられています。
1.失業率の引下げ余地があること(直近は2.750%)
2.物価上昇率0%近傍では低すぎる(2017年10月のCPIはコア0.8、コアコア0.2)
3.FRBなど他の中央銀行が2%を目指しているのに日銀が目標を2%より下げると円高を通じてデフレ圧力
4.目標未達であっても、より高い物価上昇率を目指すことはインフレ予想を引き上げることが期待できる
(若田部さんは日銀のオーバーシュート型コミットメントが、既にこの考え方に近いとコメントなさっていますが、僕は懐疑的です。体重100kgの人がダイエット宣言して「2年で-20kg!-20kgを超えても-30kgまでダイエットは続けます!」。ところが、-20kgとはほど遠いボディで、5年経過しても-5kgしか体重を落としていない、そんな人を見て「ダイエット予想」はどうなるのでしょうか?)
黒田日銀総裁が、2%目標未達とはいえ、マイナスであった物価上昇率を引き上げた事実を挙げられます。
OECDの見通しでは、2019年頃の2%達成は難しい、と。
日銀は拡張的金融政策のスタンスを(引き締め方向へ)変えることはできない、と結ばれます。
(片岡剛士審議委員が、コミットメントと政策対応強化にご苦労されながら言及しておられるようです。僕も日銀のコミットメントは弱く、スタンス変更しないだけでなく、より拡張的な金融政策を取るべきだと思います。)