若田部昌澄さんのフォーブス記事をご紹介します。

Japan Needs New Thinking, And New Anti-Austerity Politicians( Masazumi Wakatabe , 2017.06.28)

https://www.forbes.com/sites/mwakatabe/2017/06/28/japan-needs-new-thinking-and-new-anti-austerity-politicians/


若田部昌澄さんは、2017年5月23日のベン・バーナンキ(前FRB議長)の日銀における講演(道草の有志による日本語訳)を紹介されています。

バーナンキは、日銀のオーバーシュート型のコミットメントを含めた金融政策を評価しつつも、日本のデフレ脱却への勢い(モメンタム)が弱いことを警告し、金融政策と財政政策のより緊密な協力を促した、と。


質問者2は、日銀が物価安定目標の達成時期を後ズレさせ、追加緩和をせずに現状維持決定会合を繰り返し、国債金利安定化を目標とした団体かのような政策対応に、強い不満を持っております。

このスタンスは、7月24日に日銀審議委員に片岡剛士さんをお迎えし、新たな正副日銀総裁人事が発表されるなど、リフレレジームが強化されるまでは、残念ながら続いてしまう、と予想しています。

(第二次安倍政権以後、もっとも名目GDPが増加したのはSNAの基準改定によるもの、という…)



若田部さんは、日本で緊縮策を推進した人物の死を取り上げます。

その人物とは、緊縮策により、自民党と日本から活力を奪った与謝野馨氏です。

与謝野氏が「政策通」と呼ばれ、金融引締めと緊縮財政という、バーナンキのアドバイスと真逆のことを主張した政治家として、若田部さんは紹介しています。


テクノクラートに習ったお経を上手に唱える、門前の小僧習った経を読む、という面では「政策通」と言えるかもしれませんが、彼の主張は「日本的ケインジアン」と言われる吉川洋氏などと同じレベルで、とても残念だと、質問者2は思います。



若田部さんは、古い政治家から若手の政治家へ話題を移します。

自民党の小泉進次郎議員です。

彼は、消費税率の引き上げができない政府に対して、自称「保険」の「こども増税」を提案する若手政治家です。

若田部さんは、この小泉進次郎議員が主張する「こども増税」の代替案として、子どもへの教育を将来世代への投資として国債発行による財源確保を示されます。


そして、同じ自民党の中で、衆院2回の安藤議員等が、消費税率引き上げの凍結や、消費税率の5%への引き下げに言及している、と。


若田部さんは、この動きを歓迎すべき進歩と受け止めておられます。

緊縮策が20年以上にわたって日本経済の復活をずっと妨げてきた。日本は緊縮策ではなく、リフレーション政策を必要としている。そして、日本は与謝野馨氏のような古い(緊縮スキーの)政治家ではなく、より新しい発想(拡張的な金融財政政策推進、将来世代への投資へ向けた国債増発など)を持った政治家が必要、と結ばれます。



古い政治家も若い政治家、与野党問わず、緊縮策が大好きな人が多いことを見るにつけ、善意で増税多数派工作する団体となかまたちの影響力の強さを再認識します。


緊縮策という

「マクロ経済政策の失政」 = 「人災」

によって、日本の失わされた20年が過ぎました。


20年以上は緊縮策をやめ、リフレーション政策によって経済を安定させること無しに、緊縮スキーと妥協してはいけませんね。

失わされた命と時間は決してかえってはきませんが。