こんな報道を良く見聞きしませんか?

「国の借金が1044兆円!国民一人当たり824万円!」(*1)

こんなことを聞くと
「大変だなー、借金を返すためには予算を削ったり、増税もしかたがないなー」
と思いがちです。

しかし、いくつか気をつけるべきところがあります。

1)日本政府の借金であり、国民は貸している債権者であること(むしろ、資産を国民一人当たり824万円保持している)

2)日本政府は、平成25年度末で約863兆円の資産を保有しています。
これは、財務省職員(7万人で試算)一人当たり、約123億円の資産です。
日本国民一人当たりは、824万円の借金ですが(汗

3)国債発行額約1000兆円のうち、2015年末で、325兆円は日本銀行(政府の子会社のようなもの)が保有(*4)しております。日銀へ支払う国債費は、国庫納付金として政府に返ってきます(一部を除く)。国の借金は、ザックリ700兆円と計算しても良さそうですね。

4)財務省サイトに公開されている「国の借金」の見積もりは、予算関連の書類(*2)の17ページ(下図)に記載されている通り、2015年度末には1167兆円にもなると予想されています。この予想通りであれば、12月末の1044兆円から、123兆円も更に国の借金が増えることになります

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余りにも、いい加減な報道、いい加減な見積ですね。
「国の借金」という表現は、正確ではないことを知りつつ、分かりやすさのために使っている、と財務省から回答を受けております。(*5)

軽減税率を新聞に適用をお願いする理由に、公共性や民主主義を支える知識、というキーワードがあった気がします。
しかし、その実態は「善意で増税多数派工作する団体」の応援団であり、応援しているから軽減税率をお願いします、という「つるせこ」な…

メディアの報道を鵜呑みにしてはいけませんね。



(*1)《どんどん増える国の借金1044兆円 1人当たり824万円》(テレビ朝日)

(*2)《財政法第28条等による平成27年度予算参考書類》(財務省)

(*3)《連結貸借対照表(平成25年度末)》(財務省)

(*4)《営業毎旬報告(平成27年12月31日現在)》(日本銀行)

(*5)《「「国の借金」という表現について財務省に聞いてみた」》(拙ブログ)