第30代日銀総裁の白川さん。そのセントラル・バンカーとしての評価は色々とあるかもしれません。
さすが、白川さん!
ここでは、白川さんの総裁任期中(2008年4月~2013年3月)に消費者物価指数(前年同月比。以降、CPI)を物価安定の目途(0%~2%)のレンジにどれだけの割合で制御していたかを振り返ることで、白川さんの凄さを確認したいと思います。
黒田東彦さんの総裁任期中(2013年4月~2015年4月)のデータも比較対象として、白黒つけてみましょう。
CPIのデータは統計局のデータを利用
白川さんはコアCPIで約2割、コアコアCPIで約1割しか0%~2%の範囲に収まっていません。
学者肌といわれ、"「名目的」(nominal)、「貨幣的」(monetary)な現象であるインフレーション…完全なフロート制の下ではマネーサプライはコントロール可能な内生変数" と論文も書かれる碩学の白川さんにしてはイマイチな感じですね…
公平を期すために、レンジを-2%~0%にした場合の数値を見てみましょう。
さすが、白川さん!
コアコアCPIは-2%~0%のレンジに約9割収めています。
もの凄い物価制御力です。
結果を見ると、白川さんはマイナスのCPIを目指していたようにも見えますね。
物価安定目標の2%を白川さん就任前に掲げていたら、マシな結果になったかもしれませんね。
白黒つきましたでしょうか?
凄い物価制御力を持っていても「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」(日銀法第二条)を怠る貴族がいないことを期待します。
最後にオススメ本をご紹介。
〔「日銀貴族」が国を滅ぼす〕(著者:上念司氏)