自作小説ブログ・鼻クソの部屋 「癒着式決戦兵器TENGA」 -2ページ目

自作小説ブログ・鼻クソの部屋 「癒着式決戦兵器TENGA」

管理人が自作小説をうpします。~WARNING~変態紳士的な内容が含まれるため閲覧注意。


放課後、俺は部活動に勤しむ生徒たちを横目に帰路につく。大概この時間帯に帰宅する生徒は受験勉強に励む三年生か部活動をしていない、つまり帰宅部と呼ばれる生徒だけだ。そして俺は後者だった。月乃にはよく、部活動もしないなんてよく、ホントろくでもないクズね、とか言われるんだが、俺は意に介したことなど一度たりとも無い。それにしても、月乃はよくあそこまで人を罵倒できるなぁ。あれほどバカにされると逆に心地よくなってきたりする。言っておくが、俺は「マ」で始まって「ゾ」で終わる名前の人間ではない。断じて違うからな!大事なことなので二回言うが、俺はマゾじゃない。そんなことを考えていると、いつの間にか家は目の前だ。家を一度見やってもう一度進もうとする、が
「ん?」
俺は違和感を覚えた。もう一度我が家を見上げてみる。ごく普通の一軒家、に……何だありゃ……?まるでロボットアニメに出てきそうな無骨な棒状の物体が見事に刺さっていた。何だか分からないがとりあえず近づいてみよう……。刹那
ザワッ!!
「グッ!?」
何だ……こりゃ…!? 全身が痺れるような感覚ッ! 何かが来るッ!! 欲している!
痺れるような感覚が身体中を駆け抜けたと思ったら、次に心の内側から押し寄せるような……まるでリビドーのような激情。
何故か身体がみなぎってくる! あれか…!! そうさせているのはあの無骨な棒だと分かった時、俺は跳ねるように物体に駆け寄る。物体は棒というより筒だった。だが今の俺にはそれがもってこいだ。そしてその口径は丁度いいサイズときた。俺は押し寄せるリビドーに流されるままにズボンとパンツを脱ぎ捨て、いきり立ったモノを……ついに筒に挿入した。
その瞬間、俺はついに絶頂を向かえ……あれ?
突き上げるリビドーに流され絶頂に至るものと思い込んでいたが、予想に反して俺は賢者タイムのような虚無感を味わっていた。
「何だ、ただの禁断症状か。」
そんな気がした。もちろんクスリなんかやってないけど。それに今気づいたら敷地内とはいえ、ここは屋外だった。外で股間にこんな某モビルスーツに搭載されていそうな筒をぶら下げていたら、まるで俺が変態みたいじゃないか。慌てて股下からぶら下がっている無骨な筒を外そうと……ん?……何故か外れない。
「あれ?おっかしいな……フンッ!!」
カチッ
「ん?」
力んで抜こうとした拍子に何かスイッチのようなものに触れた感触がした。
「癒着式決戦兵器TENGAを起動、癒着開始しまぁーす!」
「ッ!?」
何処からともなく少女のあどけない声がした。
「……歳は……11、12歳くらい……身長は150もないくらい、薄い色の髪は背丈に合わないロングヘアー……」俺は声から少女の姿を予測していく。俺の守備範囲は広い。3歳くらいから50、60くらいまで幅広く対応している。まぁどちらにせよ俺の守備範囲内だった。
「癒着かんりょー!!」
また聞こえた。待ってろ、今すぐ探しだして愛でてやる!!……しかしそれらしき少女は見当たらない。
「副所長、あれじゃないですか!?」
「なに!?」
「おわっ!?」
しまったァァァァァアアアアア!!! 少女の声に気をとられて、人に見つかってしまったッ!急いで家の中に転がり込もうとするが、
「あっ、副所長!家の中に逃げていきましたよ!!」
「突撃だァ!!」
副所長と呼ばれる男の合図で白衣を着た男たちが何人か向かってくる。
「はぁ!?」
慌ててドアから離れ全力で路地へ駆けだした。
「おい、逃げたぞ!追え!!」
「い、いったい何なんだァ!?」
訳も分からず股間に奇妙な物体をぶら下げ住宅街を逃げ回る。なるべく角を曲がって見失うのを狙う。
「クソッ、速い!」
白衣の一人が溢す。あと一つ角を曲がればうまく巻けそうだ。しかし、
「おわっ!!」
「キャ!」
曲がろうとした角で誰かにぶつかった。可愛らしい声だが、残念ながら今は妄想している暇はない。
「すいませんでした!」
俺は急いで謝るとまた駆けだそうとする……が、足をその少女の手ががっしりと掴んでいた。思わず少女の顔を見上げる。そして震えた。
「陽一、アンタね……」
ぶつかった少女は月乃だった。ヤバい、しかも鬼のような形相でこっちをにらんでいる。しかし、ちゃんと謝っている時間は無かった。
「おい、いたぞ!」
後ろから白衣たちの声。
「悪い、月乃!でも、今は勘弁してくれ!!」
「ちょ、待ちなさいよ!」
俺は月乃の言葉を制止を振り払い走りだした。しかし、
「キャッ!!」
後ろから月乃の悲鳴。思わず振り向く。
「ッ!?」
男たちが月乃を取り押さえていた。副所長らしき男が口を開く。
「知り合いなんだろ、坊主?」
「お前……!」
「ちょ、はなしなさいよ!HENTAI!!この童貞集団!!」「「「ウッ……」」」
月乃の暴言に白衣たちが呻く。
「ウッ……」
そして何気に俺も傷ついていた。
「コイツぁ人質だ。おとなしくこっちに来い。さもなくばこの嬢ちゃんがどうなっても知らねぇぞ」
本当に絵に描いたような悪役ぶりだ。月乃は相変わらずハゲだの、ブサイクだの叫んでいる。
「クソッ……どうすりゃいい……」
その時、
「妄想すればいいんだよー!」
「!?」
さっきの少女の声がした。しかもようやく気づいたが、それは筒から俺の身体を通して伝わっているようだ。だが、意味が分からない。妄想?何でだよ?
「この癒着式決戦兵器TENGAは妄想力を変換して力を得るのでーす!」
妄想力?にわかに信じ難い話だが今は迷っている暇は無かった。
「オカズは……しかし……まぁ今はやむを得ない!!」
俺はこのシチュエーションを丸々生かすことにした。内容が内容だが今の俺には選択の余地は無かった。
俺は目を閉じた。