昨日あたりから、今回の全国学力・学習状況調査(通称全国学力テスト)の結果が
各局から報道されていますね。
しかし、今回もやっぱり秋田が上位だとか、沖縄が3年連続最下位だとかいう形での
報道に偏っているのを見ると「なんだかなぁ…」と思ってしまう私であります。
なぜなら担当になっている国立教育政策研究所というところの調査結果の発表の仕方では
一応、各都道府県を順位ではなく、北の北海道から、南の沖縄までを順に並べており、
内容に関しても、各科目ごとの正答率などしか公表されていません。
順位付けは行っていません。
では誰がテレビで見るような都道府県別の総合正答率を手間隙かけて求めて、
それを高い順に並べ替えているのでしょうか。
恐らく、この結果をセンセーショナルに伝えたいマスコミ各社の意図でしょう。
正直、呆れて言葉も出ません。
確かにこれほど大掛かりでお金のかかる調査を
全国規模で行うこと自体は私も疑問ではありますが、
現在の仕組でそうなっている以上、今行っていることを正しく認識し、利用していかないと、
かかる金額の大小に関わらず全国学力テストを行っている事自体が無駄になりかねません。
本来、この調査は今の子ども達の学力の「現在地と問題点」を
発見するためのツールでしかないはずです。
「現在地と問題点」を発見し、じゃあそこからどのようにして
悪いところは改善し、いいところはさらに伸ばすのかを考えるために行っているはずなのです。
重要なのは前回と今回の差です。どれだけ改善できたのか、です。
学力テストに縛られることはよくないですが、一つの指針として利用できる以上、
それを目安に教育を行うこともありだとは思います。(あくまで目安ですが)
しかし、現状のような報道のされ方をしていては、
見ている保護者や視聴者に単なる「各都道府県の格付け」として見られてしまいます。
そのため、例えば今回、大阪府の小学校は前回より順位が上がり、
橋本知事も喜んでいました。が、順位が上がって良かったで終わりでしょうか。
それでは私たちワイドショーの視聴者と同じなのです。当然、橋本知事ならわかっているでしょうが。
実際、順位からさらに掘り下げて考えると、例えば、
・他県の正答率が前回より下がったから、相対的に大阪府の順位が上がっただけじゃないのか。
(つまり、前回から改善はしていないのではないかと言う疑問)
・正答率が上がったのなら、なぜ上がったのか。逆に下がった分野はないのか。
・今後、さらに伸ばすには(なんとか改善するには)どうすべきなのか。
などの疑問が浮かんできますよね。
本来はそうやって全国学力テストの結果を利用し、現在地と問題点を把握し、
教育を改善、実施、そして次の調査では正答率が上がっていく(もしくは下がる)、
この繰り返しだと思います。
そう、よく言われるPDCAサイクルに乗せなければ意味がないのです。
※PDCAサイクルとは…
→plan(計画)、 do(実行)、 check(検証)、 action(改善)
と言う、主にビジネスで使われる用語です。
ここでは学力調査とその結果はCの部分に当たるはずです。
しかし、現状の報道のされ方でははじめに書いたように、
単なる「都道府県の格付け」でしかありません。
例えば、
「前回から○ポイントも正答率が上がった○○県はどのように教育を変えたのか?」
とか、中身に突っ込んだ報道をされていればまだしも、
調査以来上位をキープしている秋田などの教育の仕方を毎度のように見せられても、
わかりきったことでしかないのです。
キツイ言い方をすれば、秋田県にとってはその教育方法が当たり前であるなら、
そこに胡坐をかいて、正答率が上昇していないということもあるかもしれません(あくまで可能性の話です)。
逆に、ずっと下位にいながらも、毎年着実に正答率を上げている都道府県があるかもしれません。
本来は順位付けなどというくだらないことに労力を割くのであれば、
前回から注目すべき変化のあった自治体にスポットライトを当てるべきで、
私たちもそのようにこの学力調査を見なければならないのです。
また調査結果に対し私たちは自分の住む自治体レベルで上昇していれば、
なんとなく満足してしまいそうですが、
一歩下がって見ると日本という国全体で正答率が上昇していかなければ、
この調査の意味は無いと言ってもいいかもしれません。
たまたま、自分が興味のある話題だったので、
このように冷静に見ることができましたが、
気をつけていないと、今回のような偏向報道はかなり影響受けそうですね。
マスコミの十八番ではありますが、そのような情報に流されずに、
「あぁ、そうね」くらいの気持ちで参考程度に見るようにしないと、
いつの間にかマスコミに扇動されるような人間になってしまいそうですね。
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地元の商店街の衣料店。
