食卓の変化 | 王様の料理人。料理人の王様。

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尊敬するアントナン・カレームについてのレシピや、古典料理、地方料理、調理科学や作り方のコツ。モダンキュイジーヌのレシピ、画像、作り方。フランス料理、スペイン料理についての歴史。

 ルネサンス時代、特に16世紀半ば以降、食卓は大きく変化していく。特にイタリアの影響を受けいれてフォーク、取り皿が食卓に現れ、ナプキンの使用も一般化するなど、次第に今日と同じような食事の様式に近づいた。

 ただ、食卓の変化はゆっくりとした歩みで、例えばフォークはのちのアンリ2世とカテリーナ・デ・メディチの婚姻(1553年)の際にフランスに紹介されていたが、広く普及するのは17世紀になってからのことである。同じくイタリアの流行を取り入れ、数多くのイタリア製の陶器やガラス器が食卓を飾るようになったのも、この時代からである。

 食卓のしつらえの変化に従って、食事のマナーも大きく変わる。食卓に置ける個人主義が台頭し、中世では普通に行われていたスープ用の深皿の共用はなくなり、一旦皿に取った料理を他人に勧める行為は嫌われるようになった。