楽しみにしていた展覧会へ行ってきました♪

■甲斐荘楠音の全貌
 in 京都国立近代美術館 2/11〜4/9まで

昨今大人気の怪しい絵画を描いた、
かいのしょう ただおと】の展覧会です。

26年前にも同館で展覧会が開催されていて、
その時は【甲斐 楠音】と【】でなく、
画号【庄】の方を用いていたそう。


京都国立近代美術館楠音の作品を
たくさん所蔵して研究されています。

楠音が描く、魅せられる美人画を
余すことなく展示の序盤から拝めました🙏

《個人的必見作品》
 • 「露の乾ぬ間」三味線に纏わりつく美しい女
 • 「毛抜」女装の男性のふとした色気にドキドキ

✴︎



そして京都国立近代美術館所蔵
「あやしい絵」展でも人気の「横櫛」
切られて傷だらけの女性の怨念が
滲み出ている怖い絵なのですが…

広島県立美術館所蔵「横櫛」がもう1作あり
アクの抜けた美人画でギャップに驚きます!

今回は2作並んで鑑賞できるので必見です✴︎
(※並んで鑑賞できるのは前期までの展示だそうです。)

✴︎


楠音歌舞伎など舞台が好きだったそうで、
自分自身も女型を装ったようです。

女性の見られ方、魅せられ方というものを
熟知している人だと思います。

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個人所蔵の貴重な作品も展示されています。

おしろいの厚みや禿げ方が、
実際に自身で塗ったことがないと分からない
表現をされています。(陰影とか)

女は化粧で化けるものなので、

妖怪のような厚塗りの太夫は、

女性の怖い内面性を現しているようです。


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そして舞台や踊りが好きなだけあって、

絵の中で動きだしそうな「舞ふ」女性。



白のボヤけた縁取りが存在を浮遊させ、
ぼかしが人の動きを演出しているみたい✴︎
個人的には⇧図録左「幻覚(踊る女)」
に魅せられました❤︎

白でなく火の粉のようなぼかしが、
女性を炎舞させているように見せています。

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今回の展覧会写真撮影NGなので、
私の拙い文章だけで伝わりにくいですが…
楠音美人画の絵師ではないと感じました!

なぜなら沢山の裸婦像裸体のスケッチ
肉感的乱れエロスがほとばしってます!
(春画も描いていたらしいです。)

楠音セクシャルマイノリティらしいですが
男性目線?のエロティックさがあるんです。

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現在メトロポリタン美術館が所蔵する
この作品「春」楠音エロス
謎解きをしているような作品です。

艶かしいポージングに、
相反するような可愛らしい色味と柄の着物
緻密に描き込んでいます。

そして写真の様にリアルな色気の女性の顔
コラージュを貼るように描かれています。


楠音は沢山の写真などをスクラップして、
コラージュしていました。(展示有)

人をどう見せたら魅了させられるか、
客観的にエロスを生んだのやもしれません。


✴︎


そして展覧会タイトルが本名の【荘】を使い
【全貌】と謳っているのは、
絵画だけでなく映画の時代考証でも活躍した
楠音の表現人生展示しているからだそう!


北大路欣也の父、市川右太衛門が演じる
「旗本退屈男」着物楠音が関わってます。

日本画のように美しく、
フィルムにも映えるユニークな柄の着物
ずらーっと沢山展示されていて圧巻でした!

《個人的必見作品》
 • 「旗本退屈男 謎の幽霊島 衣裳」金刺繍美
 • 「丹下左膳 衣裳」墨文字かっこいい!


人を魅せる絵画表現を追求する中で、
動きのある演出ができる映画の世界に
足を踏み入れたのは必然ですね✴︎

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最後に…

《個人的必見作品》
 • 未完成の作品「畜生塚」



20代から描き始め80代で完成させた、
「虹のかけ橋七人の太夫」(写真下)
着物の描き込みは緻密で美しいのですが、
太夫のおしろいの塗りがもやもやしてます。

「畜生塚」(写真上)全裸の21人の女性
最期の肉と魂の重なり合い。
20代の楠音の白塗りの再現なくしては、
完成出来なかったのかもしれません。

甲斐荘楠音の人生を追うような、
濃い内容の展覧会で大満足でした◎


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✴︎

鑑賞後はカフェでひと息つき腹ごしらえ😋
美術館内のカフェド505です🍝

今回は日経ID会員向けの前売券
通常前売券より100円安い1500円
尚且つカフェの100円割引券つきでした◎



展覧会コラボパフェも美味しそうでしたよ❤︎