それから、遅い声変わりで裏声さえ出なかった僕はこっそり歌の練習も始めました。


高校生になっても体育は見学だった僕は【肺活量】は諦めて、「言葉1つだけでもカッコ良く歌えるようになりたい」と【お腹の内側の筋肉】を鍛える事だけに集中。




それはともかく、そうやって僕はやっと「これが自分だ」と【自分】を見つけられました。


凄く時間がかかったけれど、それからは驚くぐらいの速さで僕の【世界】が広がりました。



音楽を通して、楽器を通して、自分に【価値】を見出せました。


沢山の人に出会い、【友達】が出来ました。


そして、バンドを通して今これを読んでくれている【あなた】に出会えました。




そういった気持ちで、あの日最後にこの曲を歌わせて貰いました。




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「もうだめだ」って何度だって

諦めかけ捨てて選んで

「きっといつか笑えるように」と

作り笑いして背伸びした


「もう嫌だ」って何度だって

叫んだ声が呼ぶ方へ

ぎゅっと強く握りしめて

その手はもう離さないよ


大きな壁立ち塞がって

見えなくなった希望だって

きっといつか手にする為

そこに在り続けてるのだから


何処に向かって進んだって

隣にはずっと君が側にいるんだ

だから今も共に旅路を歩んで行こう


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「今までの自分があったから今の自分がある」

「それをずっと大切に持ち続けていよう」


そういう唄です。




僕が音楽を通して出会えたみんなにこの唄が届き、もしつらい時はこの唄があなたを支えてくれますように。


何度あなたに【冬】が訪れようとも、僕は【春】が来るようにと歌います。


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最後にもう1つだけ。


僕はあの時【逃げた】事を後悔しています。


「もっと違ったやり方もあっただろうに」と。


けれど、あの時逃げなかったら僕はどうなっていたか分かりません。


ライブ後に「生きててくれてありがとう」なんて少し大袈裟な嬉しい言葉を貰ったけれど、本当にその通りかもしれない。


【そんな事】にもなっていたかもしれない。



だから、僕は後悔はしていても「あの時逃げて良かった」と思っています。




これを読んでくれているあなたへ


「本当に限界を感じた時は、ちゃんと逃げて下さい」


僕は逃げた後に【大切なもの】に沢山出会えたから。



大丈夫。


逃げた先にも道はある。


その先で出会える自分がいる。


その先で出会える人がいる。


⬅︎To Be Continued( 'n'  )