鬼が島の戦闘編
山は鈍く揺れた。ひとすじの煙をあがる。
桃太郎は息をこらした。
煙は次第に近づいてきて、やがてそれが土煙であることと見てとれるようになった。
鬼の軍勢だ。総勢5万はあるかに思えた、大軍である。
「鬼ヶ島の兵は群れてばかりでいけねえや」
猿がかったるそうにきびだんごをほおばりながら呟く。
桃太郎は静かに片手をあげ、しばらく間を置いてから、振り下ろした。
両側の獣が一斉に飛び出す。
一方は蒼穹へ舞い、一方は地を駆ける。
地面がよじれ、空気がかすむ、赤い血が舞った。
鬼の軍勢が崩れるのに、そう時間はかからなかった。
崩れゆく赤き大軍のなか、ひときわ目立つ金色の兜をかぶった鬼だけは動かなかった。いや、動くことができなかった。
なぜ、と呻きながら、鬼は戦場を睨んだ。
たった四人。しかし、崩されている。
なぜ、もう一度呟く。それは、鬼の腕が獣に食いちぎられたあとだった。
なぜ。 鬼の周りには、桃の描かれた旗が4つのみ。
駆け抜けた桃太郎の切先が、無様に転げた鬼の胸を貫く。
視界が、白く歪む。
こんなはずでは。声はでなかった。
これが世に言う、鬼ヶ島の戦いである。
山は鈍く揺れた。ひとすじの煙をあがる。
桃太郎は息をこらした。
煙は次第に近づいてきて、やがてそれが土煙であることと見てとれるようになった。
鬼の軍勢だ。総勢5万はあるかに思えた、大軍である。
「鬼ヶ島の兵は群れてばかりでいけねえや」
猿がかったるそうにきびだんごをほおばりながら呟く。
桃太郎は静かに片手をあげ、しばらく間を置いてから、振り下ろした。
両側の獣が一斉に飛び出す。
一方は蒼穹へ舞い、一方は地を駆ける。
地面がよじれ、空気がかすむ、赤い血が舞った。
鬼の軍勢が崩れるのに、そう時間はかからなかった。
崩れゆく赤き大軍のなか、ひときわ目立つ金色の兜をかぶった鬼だけは動かなかった。いや、動くことができなかった。
なぜ、と呻きながら、鬼は戦場を睨んだ。
たった四人。しかし、崩されている。
なぜ、もう一度呟く。それは、鬼の腕が獣に食いちぎられたあとだった。
なぜ。 鬼の周りには、桃の描かれた旗が4つのみ。
駆け抜けた桃太郎の切先が、無様に転げた鬼の胸を貫く。
視界が、白く歪む。
こんなはずでは。声はでなかった。
これが世に言う、鬼ヶ島の戦いである。