「日本の月はまるく見える」という漫画を読みました。
作者:史セツキ
や~
中国って本当に大変なんですね…てことを知ることが出来る作品でした。
以下、少しだけネタバレ有りでブログ書いています。
BL作家を目指している中国人女子のお話です。
小学6年生の時に日本のBL漫画を読み衝撃を受け、以来BL漫画家になる夢を捨てきれず、夢に向かって突き進む夢言ちゃん。
中国ではBLは不良文化扱いですからね。
「日本の月はまるく見える」というタイトルですが、これには意味があって、中国では自国よりも他国が優れていると感じる人を揶揄する時に生まれた言葉らしいです。
隣の芝生は青く見えるって感じでしょうか。
BLが規制されていない日本。
夢言ちゃんには日本の月は丸く見えるらしいです。
私は中国に行った事が無いのでよくわかりませんが、愛する墨香銅臭作品においても、折角クランクアップッされた例の実写ドラマとかも、結局放送に至らずお蔵入りしてますもんね。
(BL規制が理由なのか定かではないが)
ネットの規制も凄いとか、常に監視されているとか、そういう噂はよく耳にしますしね。
BL好きからすると、たしかに日本の月は丸く見えるだろうな。
でも墨香銅臭先生のような偉大なBL作家はじめ、Priest先生や肉まん先生こと、肉包不吃肉先生などの巨匠が次々と耽美作品を生み出している事実もあるわけで。
その辺の線引き、どこまでがイカンくてどこまでが良いのか?という細かな壁がいまいちよくわかりません。
そういった細かな壁が、この作品内でちょくちょく描かれていまして、なるほどな~って思いました。
昔は中国でも耽美作品は規制されていなかった、でもいつからか不良文化と言われ始めた、とか。
中国の出版社に作品を投稿する際は、男同士の友情としか表現できない、とか。
前は中国からでもpixivに自由に投稿できていたのに、国の規制によってブロックされたりVPNを使っても作品がアップ出来なくなった、とか。
日本で買ったBLコミックを中国へ持ち帰る際、税関を抜けた後の出口の扉が勝利の扉に見えた、とか。
読んでいて、ほう~となった
ぼんやりイメージしていた、吉星高照がお蔵入りするまでの流れが、少し想像出来るようになりました
あと面白かったのが「日本人は遅刻に厳しい」ってやつです
日本の出版社からお呼びがかかって、日本に来て一瞬だけ日本国内で作家活動をするシーンがあるのですが、初めて編集者と待ち合わせする時に夢言ちゃん寝坊しちゃうんですよ。
遅刻だ~~~!でも日本人遅刻に厳しいんだよなどうしよ~~って焦る夢言ちゃんが、とある大嘘芝居をしてしまうんですけどね。
そんなにってほど焦ってる様が描かれていて、海外では日本人の遅刻許せなさ度合いが、どう認知されているのかとウケました
まぁ確かに私も遅刻は嫌いです。
出勤も30分前には到着しているのが常だし、友人との待ち合わせもそんな感じ。
毎回遅刻する人とは縁を切りがちです。
でも日本人でも遅刻癖がある人は多いですよね。
って言っても、他人にも30分前到着を求めたりはしませんよ
それに事前に遅刻するって連絡をくれれば腹も立ちませんし。(繰り返されると縁を切りがちだけど)
最近はBL作品を殆ど読んでいない私ですが、チョイ前…数年間は愛読者でありました。
なので夢言ちゃんの奮闘記であるこの作品、とっても楽しく読ませていただきました
他国との価値観の違いやギャップを知れるのも凄く面白いです
余談ですが、1998年から2002年TBS系列で放送されていた討論バラエティ番組、「ここが変だよ日本人」っていう番組が大好きでした
「日本の月はまるく見える」。
2巻以降も続くようなので、絶対買おう!と思う作品でした