グレーゾーン金利廃止の余波 | 大竹司法書士@法律ってなんだろう!?

グレーゾーン金利廃止の余波

最近こんな℡相談がありました。


大手金融会社から借り入れをしているというAさんです。


自営業者の方で、借入金は事業資金に使っているようですが個人名で借り入れしているようです。




Aさん 「実は今借りている金融会社のカードローンで、使える枠はかなり残

っているんですが、

突然返済のみになってしまい、追加融資を受けるこ

とが出来なく なってしまいまし。何とかならないでしょう

か?」



私   「それは最近の金融庁の行政処分に絡んで、融資の審査基準が厳し

くなり、今以上の融資は出来なくなったんじゃないでしょうか」




Aさん 「それでもどうしてもお金が必要なんです。何とか方法はないでしょう

か。」





私   「利息制限法や出資法の改正もほぼ確実になって、融資できる基準

もかなり厳しくなっているようなので、残念ですが今後はそのような

ところがどんどん増えて行くのではないでしょうか。現状では金融

会社に説明を求める以外に方法はないかもしれません。」




私   「でも一つだけ注意してください。お金に困っても絶対に怪し

いところや質の良くないところからは借りないでく

さいね!返済に困ったら私のところに法律相談に来てください。」




Aさん 「実は困ってしまい、

すでに○○○から借りてしまいました・・・・・





○○○・・・・・、聞いたこともない名前です(¨;)





私   「○○○には出来る限り早く元金を返して、手を切ってくだ

さい!」






その後、しばらく相談を受けた後、Aさんは取り引きしていた金融会社に再度相談に行くといって℡は切れました。




こういう相談は最近は他にも何件かあります。




利息制限法や出資法が改正され、上限利息が下がれば、債務者の金利負担も確実に減り返済金額は少なくなります。破産者や多重債務者の人数も将来的には確実に減るでしょう。





これには私も賛成です。





しかし、金利が下がった分貸す側としてはリスクが増えますので、当然融資できる人の範囲は狭くなってきます。





Aさんのように、現在取引中の人でも、リスクの度合いに応じて融資額が減額される人も、今後は数多く出てくるでしょう。





大手金融機関の1社で融資が受けられない人は、他の大手金融機関でも借りられない可能性も高くなります。




自民党の金融調査会と貸金業制度小委員会の改正審議の中でも、「借りられなくなった人がヤミ金融に行ってしまい、ヤミ金融がはびこる」という意見も多数出ていると聞きます。





上限利率の改正と同時に、現在借り入れがある債務者のケアも同時に考えないと、世の中は大混乱してしまうと思います。




政府はその辺りの対策はどうするのでしょうか?




対策がまったく公表されていない現状で、今までまじめに取引を続けてきた方たちのことを思うと、今後の上限利率改正の動向に私は一抹の不安を感じます。