溌剌!!未来へ羽ばたく幼子達よ、健やかに!戸沢の「ねじとわら馬引き」に願いを込めて | 信濃路てんこ盛り

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「ウー」が綴る信濃路の魅力発信ブログ

今にも壊れそうな身体に、溢れんばかりの生命力を宿した幼子が、ちっちゃな手に綱を握りしめ、懸命に「わら馬」を引く。

 

 

純真で、無限の可能性を秘めた、君が主役のお祭りがまた始まります。

 

 

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1月7日の長野市「芦ノ尻道祖神祭り」、15日の長和町「おたや祭り」、29日と2月5日の御代田町「わら馬引き」を経て…

 

2月12日(今回)の上田市「ねじとわら馬引き」まで、実に5週間ちょっとで5つのお祭りを見学しました。

 

しかも今回の「ねじとわら馬引き」は3年連続での見学です。でも何度見てもいいものはいい!


3回目なので、プログにアップしても同じ内容になってしまう…と躊躇しましたが、とりあえず簡潔?にまとめておきます。

 

来年以降も多分見学に来るでしょうが、内容に目新しいものがなければ、もうアップしないつもりです。

 

ちなみに、過去2年間のお祭りの様子は以下の通りでした。(上:2021年・下:2022年)

 

 


さて、お祭り2日前の2月10日は15cm程度の積雪を記録。一時はどうなる事かと思いましたが、みるみる解けました。

 

お祭り当日は、会場である真田町の8時半の気温が、何と2℃。この時期にしては非常に暖かい!春が確実に近づいています。

 

9時過ぎになって、「わら馬」を引く幼子が親とともに、道祖神へとやってきました。

 

「わら馬」を引いているのは、概ね就学前の幼児です。

 

わらを束ねて包みにした「わらづと」に入れた「ねじ」を「わら馬」の背に詰めて、自宅から道祖神まで子が引くのですが…

 

「ねじ」については後述する事とし、まずは幼子達が「わら馬」を道祖神まで引いてくる様子をご覧下さい。

 

 

カメラ目線でポーズを決めて、実に可愛い!私にも、こんな頃があったのかなぁ?

 

 

写真を撮ろうとしていたら、突然走り出した男の子。この躍動感!はち切れんばかりです。元気溌剌!

 

 

その場に佇んで、物思いにふけってる?今日は君のお祭りだよ。

 

 

こちらはお母さんに連れられてやってきた兄弟のようです。「わら馬」もお揃いですね。

 

 

やがて、道祖神に到着した家族は「ねじ」をお供えし、お参りするのですが…

 

子供が引っ張ってきた「わら馬」に載せた「ねじ」ではなく、別に持参してきた重箱に入った「ねじ」が供えられます。


そして一家で道祖神に手を合わせ、子の無病息災を祈ります。

 

 

手を合わせるご両親の間で、立ったままじっと道祖神を見つめている子。そんなに道祖神が珍しい?

 

 

家族みんなで、懸命にお参りしている姿が、何とも微笑ましい。

 

 

道祖神へお参りした時、各家族が供えた「ねじ」がこちらです。

 

「ねじ」とは、食紅で彩色した米粉の生地に小豆あんを詰め、動物や草花の形にしたお団子の事。

 

お参りの後、例年は家族間で「ねじ」の交換を行いますが、今年もコロナの影響で中止となりました。

 

 

家庭で作ったものとは思えない位、色とりどりで繊細な「ねじ」です。

 

子の無病息災を願って、心を込めて作った「ねじ」からは、親の気持ちが痛いほど伝わってきます。

 

 

9時20分過ぎ、最後と思われる家族もお参りを済ませました。

 

今年はどうしようか迷っていましたが、それでもと思って、このご家族の自宅にお邪魔しました。

 

自宅へ戻ると、「わら馬」が子の災禍を背負って天に昇るという意味合いで、屋根に「わら馬」を放り投げます。

 

この「わら馬」の屋根への投げ上げに、立ち会わせて頂く為にやってきたのです。

 

うん?この家来た事ある!と思ったら、昨年お邪魔したご家庭で、2年続けての訪問となりました。

 

道祖神から引いて帰った「わら馬」から「ねじ」の入った「わらづと」を外し、その「わら馬」を勢いよく投げ上げます。

 

昨年は「わら馬」の一部が写真に納まらず、失敗に終わったけれど、今年はばっちり!ベストショットが撮れました。

 

 

投げ上げられた「わら馬」も見事、屋根に乗っかりました。

 

昨年の色褪せた「わら馬」と、たった今投げ上げた今年の「わら馬」が仲良く並んでいます。

 

 

最後は「戸澤公民館」へ。昨年はコロナの影響で、公民館の一部のみが開放されて行われた文化祭でしたが…

 

今年は初めて、公民館内での展示を見学する事が出来ました。

 

民話紙芝居「戸沢のねじ」の展示や「ミニわら馬」の販売等、昨年と同じ内容です。ビデオ視聴コーナーもありました。

 

ところが…この文化祭で一番期待していた「ねじ作り講習会」は、今年も開催されず。

 

コロナの影響もあるのでしょうが、講習会の準備にはかなりの手間がかかるようです。

 

 

「ねじ作り」は叶いませんでしたが、今年も公民館の一角に、もはや芸術品というべき「ねじ」が展示されていました。

 

ここまでは望みませんが、せめて道祖神にお供え出来るレベルの「ねじ」を作ってみたかったなぁ。

 

 

こうして、今年も「わら馬」を引く幼子達の健気な振る舞いと、素朴で美しい「ねじ」に心癒されました。