田島征彦「じごくのそうべえ」読みました. | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

じごくのそうべえ

童心社(1978年5月)
☆☆☆☆

そうべえは,かるわざしです.「とざい とうざい・・・」と,綱渡りをしているとき,落ちてしまいました.

死んだのでしょうか?火の車に乗って三途の川まで来ると,しょうずか(三途河)のばあさん(奪衣婆だつえば)に衣服をとられ,三途の川を渡りました.そして,じょうはり(浄玻璃)の鏡の前で,鏡閻魔大王の審判を受けることになりました.
糞尿地獄,じんどんき(人を食う鬼),熱湯地獄,針の山地獄,赤鬼青鬼も出てきます・・・果たして,そうべえの運命は!!!

この本,地獄といっても全然怖くないです,キタナくてくさくて抱腹絶倒です.絵もデフォルメされており,味があります.文章も,関西弁のような,独特なリズムがあります.閻魔大王もいい加減さにはあきれました.このきたなさ,女の子より男の子に大受けでしょう.幼稚園くらいからOKではないでしょうか.

表紙折り返し部分には,上方落語「地獄八景亡者戯(じごくはっけいもうじゃのたわむれ)」をもとに絵本にしたもので,予想に違わぬおもしろさ,と桂米朝が文章を寄せています.


この本,第1回絵本にっぽん賞受賞 となっていました.