極上美の饗宴 新薬師寺“十二神将立像”(その2) | ネコ好き☆SHINACCHI blog

極上美の饗宴 新薬師寺“十二神将立像”(その2)

押し寄せる大勢の人たち。

いったい何の行列でしょうか。

人々の視線の先にあったのは国宝・阿修羅像です(国宝・阿修羅展 2009年 東京国立博物館)。

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本来は信仰の対象である仏像にカッコイイ男性、イケメンらしさを感じる女性が増えています。

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イケメン仏像が大好きというこちらの女性。

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たとえば阿修羅像は

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「いかにも弱々しくって、守ってあげたいなって感じがすごい母性本能をくすぐられる顔をしてて…」

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「ほんとうになんかジャニーズ系だなって感じが…」

象に乗ったこの帝釈天像(東寺講堂・帝釈天騎象像)。

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「白馬に乗った王子じゃなくて、白象に乗った王子」

「仏像で古さもあるんですけど、古いけどカッコイイっていうか…」

ここではまだ紹介はないが、この女性は、仏像のイラストと著作で有名な田中ひろみ さんである。

最も熱いイケメンと評判の仏像が勢ぞろいする寺が奈良にあります。

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新薬師寺 の十二神将像、戦う武将の姿をした12体の群像です。

新薬師寺の十二神将が「最も熱いイケメンと評判」というのは初耳だが、NHKが言うのだからそうなのだろう。

躍動感あふれるポーズ、激しい怒りの表情、にらみつける迫真のまなざし、怒りのパワーで悪を打ち砕く

強いヒーローの美。

熱きイケメン仏像が今日の主役です。

奈良時代の傑作、十二神将。

その中で最も名高い伐折羅(ばざら)像です。

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ほとんどの本、例えば中村元・久野健/監修『仏教美術事典』でも、新薬師寺の公式ホームページ でも、伐折羅は

「ばさら」と読ませているのに、なぜかこの放送では「ばざら」である。

眉間にしわを寄せ、目をむいたすごみのある顔。

今にも動き出しそうな緊張感にあふれたポーズ。

鎌倉時代の仁王像や、江戸時代の歌舞伎にも影響を及ぼしました。

そしてその怒りの表情は、現代のマンガにまで脈々と受け継がれています。

奈良時代、天平のヒーロー、その美の秘密に「北斗の拳」で知られる漫画家・原哲夫さんが迫ります。

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「『ホントにやるのか』と言っているような感じ、完全に強い人のポーズです」

大河ドラマの殺陣師が読み解く伐折羅像の「無敵のポーズ」の謎。

迫真の表情を生み出した日本ならではの驚きの技。

そしてよみがえる天平の色彩。

そこに込められた思いとは。

日本の誇るヒーローの美、その出発点となった怒れる群像。

その勇壮な世界にご案内しましょう。

いにしえの都、奈良。

8世紀、平城京が置かれ、仏教文化が花開いた場所です。

奈良の大仏(東大寺盧舎那仏坐像)、8世紀半ばに造られました。

奈良時代の中でも、この時期は天平(729~749年)と呼ばれ、数々のすぐれた仏像を生んだことで知られます。

奈良は仏像の宝庫。

国宝の仏像の半分以上(69/126)が奈良にあります。

京都よりさらに古い日本の仏像の原点に触れることができます。

奈良の中心部から2kmほど離れた高畑町(たかばたけちょう)。

土塀が連なる古いたたずまいの住宅街です。

かつて文豪、志賀直哉もその静けさを愛して、ここに居を構えました。

そんな町の一角にあるのが新薬師寺です。

門をくぐると本堂、この中に今日の主役、十二神将があります。

12体の仏像が、ぐるりと円陣を組んでいます。

国宝・十二神将立像。

1200年以上前、天平の時代に造られた傑作です。

それぞれが武器を手に、戦いのポーズで立っています。

作者ははっきりとはわかっていません。

怒りの表情を浮かべる顔。

1体ごとに個性が違います。

十二神将が戦う姿をしているのは、本尊・薬師如来を悪魔から守る役割を持っているからです。

(続く)