こんにちは、歯科医のShinです🦷
「これ、洗って乾かせば何回か使えますよね?」
介護のご相談で、口腔ケアスポンジ(スポンジブラシ)についてこう聞かれることがあります。毎日のことですし、1本ずつ捨てるのはもったいない——そのお気持ちは、本当によく分かります。
ただ、この道具にかぎっては「もったいない」が安全のほうに響いてしまうことがあるんですね。今日は選び方より前の、いちばん地味な部分の話をさせてください😌
■ スポンジは、洗ってもきれいになりきらない道具です
見た目が白く戻っても、スポンジの細かい穴の奥には汚れや細菌が残りやすい構造です。口腔ケアスポンジが「1回ごとの使い捨て」を前提につくられているのはそのためで、洗っての再使用やご家族での共用は想定されていません。
もうひとつ、使い回しで気をつけたいのが「スポンジが軸から外れる」ことです。水を含ませて、洗って、乾かして——をくり返すほど、固定はゆるみます。外れたスポンジが口の奥に残ると、誤飲や誤嚥につながりかねません。
使う前にスポンジ部分を軽くつまんで、軸にしっかり付いているかを確かめる。これは新品でも毎回やっていただきたい確認です。
■ 買うときに見るのは、値段より「軸」と「サイズ」
持ち手の軸には紙軸とプラスチック軸があります。紙軸はやわらかくて捨てやすい一方、水を含むと曲がりやすい。プラ軸は水や薬液に強く、上あごを拭うときにも折れにくいタイプです。迷ったらプラ軸のほうが扱いやすいと思います。
サイズも大事で、S・M・Lの展開があるものなら、口が大きく開かない方にはS、しっかり拭きたいときはM〜Lと合わせられます。「嫌がって使わせてくれない」の理由が、実はサイズが合っていないだけだった、ということもあるんです。
先端の形(星形・波形など)によって、汚れの絡め取りやすさも変わります。このあたりは口腔ケアスポンジの選び方と5製品の比較に、軸・形・サイズごとに整理してあります。
■ 意外とつまずくのが、買ったあとの「置き場所」
大容量パックは1本あたりが安く済みますが、開けたあとは袋のまま保管することになります。湿気の多い場所や手指が触れるところに置いておくと、せっかくの衛生面が目減りしてしまう。1本ずつ密封された個包装は、そこを割り切れる形です📦
使う量の目安も、先に決めておくとラクになります。毎食後にケアをするなら1日3本前後、1週間で20本ほど。そう考えると、どのくらいの入り数を買えばいいかが見えてきます。
スポンジ以外に保湿剤や舌のケア用品をどこまで揃えるかは、高齢者・介護の口腔ケア用品の選び方と手順にまとめました。
なお、口の中が乾いているほど汚れは固まりやすく、そのぶんスポンジの出番も増えます。乾き自体が気になるときは口の乾き(ドライマウス)の原因とセルフケアもあわせてご覧ください。
■ おわりに
スポンジは、たった1本の使い捨ての道具です。それでも「洗って使い回さない」「軸に付いているか確かめる」「水を含ませすぎず、しっかり絞ってから使う」——この3つを守るだけで、毎日のケアはずいぶん安全な側に寄ります。
今日はまず、洗って乾かしてあるスポンジがないか、洗面所をのぞいてみてください🧽
