後天性フリーク | shin

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とりあえず詩やら色々


ああ、生まれた時は
確かに普通でした

手が2本
足が2本
それぞれに指は5本ずつ

頭はひとつで
顔には目がふたつ
真ん中に鼻がひとつ
口がひとつ

両端に耳がひとつずつついています


生まれた落ちた瞬間に
あまりの息苦しさに
思いきり息を吸い込みましたが

そこでは不思議な事に
誰もかれもがオメデトウと言うのです

何も出来ずに転がって
泣く私は無様で無様で
何がオメデトウかはわかりません

1日たって
2日たって
3日たって

さらに日を重ねて
私は分裂を繰り返しながら
大きくなりました

大きくなっていく過程で
気がつかぬうちに
少しずつ変異していったのです


頭は外付けのようにふたつに分かれ
それぞれの都合で私を振りまわします

口もひとつの顔にふたつになり
それぞれの言い分で私を翻弄します


耳は耳で
都合の良いように
言葉を変換してふたつの脳に
違う言葉を伝えます


腕はささくれてひび割れて
木の肌のようになりました

脚は固くなり
しがらみという蔦が絡んで
ほどけば私ごと枯れるでしょう

でも爪先には小さな花が咲きました

いずれは変容してしまうけれど
美しい花です


こんなになったモノには
合う服も合う靴も
合う言葉もないのです


誰かが外から見れば
私は確かに奇形でしょう


後天性奇形


自らを守るために
変容する心と身体が武器で
私をも傷つける












とりあえず書いたけど、まだちょっと未消化かな?