新た知の探索と開発 | 株右衛門の経済&投資講座

株右衛門の経済&投資講座

経営コンサルタント、心理カウンセラーで英国国立マンチェスター大学MBAホルダーの株右衛門が
リベラルアーツや経済、投資(株、先物投資歴25年以上)に関する有益な情報を発信しています。

企業が持続的に成長するには、既存事業を強化し、競争に勝つことと、新たな領域を探索・開拓する探索戦略の両方が必要になる。

 

しかし日本企業でこの両法の戦略を同時に実行している企業は少ない。

 

既存事業を強化し、競争に勝つこととに求められるのは目標に向かって既存技術や製品を磨き上げる能力だが、新たな領域を探索・開拓するに求められるものはどれが有望な技術領域なのかを探索し、見極めて用途を開発する能力であり、様々な試行錯誤と学習を伴うので全く違うアプローチが必要である。

 

前者は成果がすぐ出てくるが、後者は長い時間と継続的投資が必要であり、資金力や粘り強さが必要であり、短期的な成果が求めれれる雇われ社長ではなかなか実行しづらい戦略である。

 

新たな領域を探索・開拓する探索の例として、米インテルの開発した世界初の演算処理装置が、パソコンの基幹部品としての役割を見いだすまでには約10年を要しているし、軽くて強靱な性質を持つ炭素繊維に至っては、航空機の主翼や胴体に使われるまでに30年以上かかっている。

つまり探索領域の革新度合いが高ければ高いほど、技術と市場の不確実性は高まり、成果が出るまで長期の粘り強い投資を要する。その間の収益貢献はほとんど皆無なために、常に中断圧力にさらされるという自然な傾向を持つのだ。

 

ただし全く違うこれら2つのことを、会社内でいかにしてバランスよく遂行できるかが持続的成長のためには重要であると言える。

つまりは要は経営者の能力次第とも言えるが。。。

日本企業復活には、この2つの戦略を確実に実行できる真に有能な経営者が必要だと言える。