「鷹の選択」に思うこと | 「整体師」という生き方 ~ 一灯照隅、万灯照国 ~

「鷹の選択」に思うこと

みなさん、こんにちは。
無痛整体師、武道家の西田です。

ご存じでしたか?
鷹は長寿の鳥として有名で、長ければ70年生きるそうです。
そして、本当かどうかわかりませんが、鷹はその半生において、ある選択をするそうなのです。

$「整体師」という生き方 ~あなたがあなたであるために、心と身体にやさしさ、ぬくもり、安らぎを~-鷹の選択

最近、こんな動画を見つけました。
初めて観た時、私は、涙が止まらなくなりました。
まずは、ご覧ください。



なぜ、この動画を観て涙があふれてきたのか。
それは、そこに自分の姿を写してしまったからだと思います。
以下、よろしければ、お読みください。

今から10年近く前、私は40代前半でした。
当時は、会社員でした。

世間的には名の通った、一流企業に勤務しておりました。
「超」がつく優良企業であり、実際、とてもよい会社でした。
取引先、上司、同僚も、素晴らしい方ばかりでした。
仕事にもやりがいがありましたし、処遇に不満もありませんでした。

傍から見たら、健康で、幸せそうな男に見えたことでしょう。
しかし、心の中は真っ暗闇でした。

毎日が、本当につらかった。
休日明けは、特につらかった。

ああ、今日も会社へ行くのか・・・
こんな毎日、いつまで続くのだろう・・・

「死にたい」

あろうことか、本気で、そう思っていました。
しかし、この気持ちは誰にもわかってもらえない。

一流企業勤務。
仕事にも、処遇にも不満はない。
人にも恵まれている。

なのに、なぜ、そんなにつらいのか。

人に相談しても、贅沢だ、甘えるな。
そう言われるのがオチでした。
理解されないことは承知で、当時の気持ちを振り返ってみます。

私の仕事は、顧客企業の業界、業容をよく調べ、その企業が持つ顕在潜在の課題を発見し、それを解決すべく、自社のリソースを最大限に生かした企画を立て、提案し、運用する、そのような仕事でした。
当時の流行言葉で、「ソリューション(課題解決)・ビジネス」と呼んでおりました。
素晴らしい仕事であり、やりがいもありました。
しかし、私はどうしても、それに没頭することができませんでした。

顧客企業は、多岐に渡りました。
住宅住設、医薬、製菓、食品、自動車、家電、通信・・・
すべて、名だたる一流企業ばかりです。

しかし、いずれも、従来の経済的発展の延長線上の営みが前提です。
技術、市場、すべて最先端を追います。
その上で、どのようなビジネスを展開するか、新しい製品を開発するか、新しいサービスを提供するか。
もっと早く、もっと便利に、もっと快適に、もっとたくさん、もっと、もっと、もっと・・・
それを次々と考え、投入する。

当然のことながら、大量生産、大量消費が大前提です。

大量の資源やエネルギーを使い、膨大な時間と労力をかける。
日常の業務は、病休者を出すほど過酷である。
モデルチェンジやサービス切り換えに伴う無駄も、多い。
生活が便利に、快適になる一方で、人間がどんどん怠惰になる。
感謝や思いやりなど、大切なことが置き去りにされる。

いつの頃からか、そこに、大きな疑問を抱いてしまったのです。

このままで、いいのだろうか。
この延長線上に、果たして人類の幸せはあるのだろうか。
遠い子孫に、住める環境を残せるのだろうか。

そう考えると、手も足も、止まってしまうのです。
没頭できないどころか、時に思考が停止し、何もできなくなってしまう。
そんな自分が嫌で、嫌で、たまりませんでした。
30代の頃からですから、10年以上、人知れず、苦しみ抜きました。

そして、そろそろ限界が近いと感じていたある日。
一筋の希望の光を見つけたのです。

これまで、自分が大好きで取り組んできたこと。
それらが、ひとつの道になって集約していく、そんな道を見つけたのです。

それが、整体師という仕事でした。

ただし、一般的にイメージされる整体師とは、ずいぶん異なると思います。
私は、そこに、独自の整体師像を描いていました。

それは、

「人間の可能性を、どこまでも追究し、社会に貢献する」

という整体師像でした。

道具も器具も機械も使わず、己の身ひとつで、人さまを真の健康へ導く。
見えざる心や霊や氣も含め、人間の可能性をどこまでも追究する。
真に豊かで平和な社会とな何かを問い続け、その実現に全身全霊を傾ける。
洗脳と依存と束縛から脱し、自立して、自由に生きる。
誰もがそのような生き方ができるよう、啓蒙や指導をする。

それが、私が目指す整体師像でした。

しかし、現実は厳しかった。
未知の業界、未経験の仕事で独立自営をし、生活すること。
それは、想像を遥かに超えて、困難な道でした。
たくさんの人に迷惑をかけ、支えられ、助けられました。
それでも孤独でした。
もう死ぬしかない、そう思ったことも、何度もありました。

そして、5年がたち、私は生まれ変わりました。

いまも厳しいことには、変わりません。
しかし、心から信じ、かつ大好きなことに24時間没頭し、次々に新しいことを学び、自分を磨き、高め、それで人さまに喜ばれ、対価をいただき、何とか生活しています。

自分の仕事と生き方に、盤石の自信を持っています。
これから世の中がどう変化しようと、仕事を失うことはありません。
なぜなら、人間、最後まで残るのが、身体だからです。
だから、生涯、現役を貫きます。

鷹が、本当に70年も生きるのか、それは知りません。
また、本当にこのような習性があるのか、それも知りません。

しかし、この動画は、とても大切なことを訴えていると思います。
その第一は、

「成長を求める自分を否定しない」

ということだと思います。

人間、誰しも真剣に、自分の仕事に没頭したいものだと思います。
成長し、貢献することが、人間の根源的な欲求だからです。
しかし、本当の自分を見失うと、苦しみます。
苦しみは、サインです。
自分を見失っているよと、魂が教えてくれているのです。

いま、あなたが40代前後で、毎日が息苦しいなら、それは魂の叫びかもしれません。
このままで本当にいいのか、ぜひ自問いただきたいと思います。
そして、違うと思ったら、勇気を持って決断していただきたいのです。

人類の明るい未来は、一人ひとりが希望をもち、自分の為すべきことを為すことから始まると確信しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。