整体とマッサージ (3) | 「整体師」という生き方 ~ 一灯照隅、万灯照国 ~

整体とマッサージ (3)

みなさん、こんにちは。
無痛整体師、武道家の西田です。

「整体とマッサージ」というテーマで、2回の記事投稿をしました。

整体とマッサージ(1)
整体とマッサージ(2)
※ぜひ上記リンク先記事も、ご一読ください。

少し時間が経ちましたが、その続きを書きます。
今回は、

整体においては、疾患をどのように考えるのか。
一例として、肩こりをどう捉え、どのようにアプローチするのか。

そのあたりを述べてみたいと思います。

ただし、ここで申す整体とは、私共で手掛ける整体法です。
世にはさまざまな整体法があります。
よって、あくまでもひとつの考えや方法に過ぎないと、捉えてください。

まず、整体においては、痛みやこりなどの不快感、各種疾患を「命の営みの不調和」と捉えています。

そして、その不調和の解消を第一に考えます。

では、肩こりとはどのような不調和なのでしょうか。
なぜその不調和が生じるのでしょうか。

ただし、肩こりと一口に申しても、部位も症状もさまざまです。

何かが載ってるように、肩がズッシリと重い。
首から肩、背中にかけて、鉄板が入っているよう。
肩が、キリキリと痛む。
肩甲骨の奥に、ひきつるような不快感がある。
肩から腕がだるく、時々痺れる。
ひどくなると頭痛が起こり、吐き気を生じる。


「整体師」という生き方 ~あなたがあなたであるために、心と身体にやさしさ、ぬくもり、安らぎを~-肩こりで悩む女性

実に、多様です。
しかし、どの症状であっても、おおまかに申し上げると、生じている不調和は、次の三つに集約されます。

1、骨格バランスの崩れ、乱れ
2、筋肉の疲労、過緊張
3、循環の滞り(血液、リンパ液、気)

これらが、こり、痛み、違和感、不快感となって表出しているのです。

これら三つは、相関関係があります。
波及し合い、悪循環に陥ることも多々あります。

ここで、多くの方が、町にあるマッサージ屋を利用します。
その結果、何が生じるかは、下記の記事を再度ご参照ください。
整体とマッサージ(2)

悪循環が、神経の圧迫や牽引、自律神経バランスの乱れ等の副次的な不調和を招きます。
それが、頭痛、目の奥の痛み、吐き気、めまい、耳鳴り、うつ、パニック障害などの諸症状を引き起こします。

「整体師」という生き方 ~あなたがあなたであるために、心と身体にやさしさ、ぬくもり、安らぎを~-頭痛で悩む女性

いま、これらの症状で悩む人が、本当に多い。
ところが、病院へ行ってどんな検査をしても、異常が見つからない。
そのために、診療科を転々とされます。

見逃せないのは、薬物投与です。
下手をすると、診療科が変わるたびに、薬が増えます。
それが、悪循環に拍車をかけます。
ますます症状が複雑化します。

では、整体においては、三つの不調和をどのように解消するのか。
大きくは、次のふたつです。

1、筋緊張を解放し、筋肉、骨格のバランスを取り戻す
2、筋緊張を招いている原因を探り、絶つ

ここで簡単に、人間の身体について、述べておきましょう。

人間の全身には、約200の骨があります。
骨はすべて、バラバラです。
筋肉、腱、靭帯、筋膜、皮膚などの軟部組織が、骨を結合しています。
そうやって、人体というカタチを成しています。

軟部組織のうち、身体の可動に関与するのは、筋肉です。
筋肉は、脳の命令により、収縮します。
筋肉は、自ら伸長することは、できません。
拮抗筋と呼ばれる筋肉が収縮するゆえ、伸長をします。

ここで取り上げる脳は、我々が意識できない脳です。
この脳を私共では、便宜的に「身体脳」と呼んでいます。

身体脳の役割りは、生命維持です。
そのために、24時間、365日、休むことなく全身をくまなく監視し、全身からの情報を受け取り、処理し、全身に命令を送り続けています。
身体動作や姿勢も、その一環です。

話はそれますが、武道において、超人的な技をもつ人がいます。
一般的には、「神技」などと呼ばれるものです。
神技は、身体脳を究極に鍛え上げた成果だと考えられます。
YouTubeで公開されている武道の動画を、私共のサイトで収集しています。
ご興味がおありならば、ぜひご覧いただければと思います。
心身楽々堂・整体法講座ウェブサイト「武道動画集」

さて、身体脳は、外部からの刺激に対し、次の二つの反応をします。

1、反射
2、学習

反射とは、考える間もなく、即座に反応することです。

例えば、誤って熱湯に手をいれると、どうなりますか?
考える間もなく、即座に、手を抜くでしょう。

突然、大きな音がしたら、どうなりますか?
即座に、全身を強張らせる、あるいは振り向くでしょう。

突然、目の前に、眩しい光をあてられたらどうなりますか?
即座に、瞼を閉じるでしょう。

学習とは、繰り返し行った動作を、記憶することです。

わかりやすい例では、自転車や自動車の運転がそれです。
一度覚えれば、いちいち考えずに動作しているはずです。
スポーツも、身体脳の学習により、上達します。

日常の動作のほとんどは、反射と学習により自動化されます。
姿勢、歩行なども、反射と学習の結果、成果です。
骨格の崩れ、乱れ、筋肉の疲労、過緊張も、ここから生じます。

つまり、反射と学習の繰り返しにより、特定の筋肉が過緊張を起こし、収縮と伸長のバランスが崩れ、それが定常化し、骨格が歪むのです。
その結果、血液、リンパ液、気の循環が滞ります。
それが、痛みやこり、違和感、不快感となっているのです。

整体では、筋肉の収縮と伸長のバランスを整えます。
私共の整体法では、前述の身体脳へアプローチをします。

つまり、身体脳の緊張命令を解除するのです。
それによって、筋肉を弛めます。
弛めるとは、単に弛緩させることではありません。

身体脳が、状況に応じて、自在に、最適に、身体をコントロールできる状態。

それが、弛んだ状態だと私共では考えております。
私共の施術では、全身の筋肉を弛めます。

しかし、前述の通り、筋肉の疲労や過緊張、骨格の歪みは、日常生活の中で形成されます。
それが生じた生活習慣を改善することが、とても重要です。
ゆえに、私共では施術と同等に、姿勢や生活習慣改善を重視します。

それにより、肩こりが生じにくい身体になっていただく。
肩こりが生じても、自分で解消できるようになっていただく。

それが、私共の整体法の肩こり解消のアプローチ方法です。
みなさんが通常経験しておられるマッサージと比較して、いかがですか?

次回は、具体的に何をするのか、それについて述べてみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

整体とマッサージ(4)へ続く