整体とマッサージ (1) | 「整体師」という生き方 ~ 一灯照隅、万灯照国 ~

整体とマッサージ (1)

みなさん、こんにちは。
無痛整体師、武道家の西田です。

整体とマッサージ。

一般の方は、その区別がつけられないことと思います。
お店によっては、「整体マッサージ」という看板を出されています。
ゆえに、余計に一般の方の混同を招くのでしょう。

私共では、整体とマッサージを明確に区別しております。
私共で行うのはあくまでも整体であり、マッサージではありません。

これに関しては、いろんな解釈や定義があります。
なので、何が正解とは、なかなか言えないと思います。
以下、私なりの考え方を述べておきます。
長くなりますので、何回かに分けてご説明いたします。

マッサージとは、本来は医療行為だと私は解釈しています。
怪我や疾病等が原因で拘縮・劣化した軟部組織(皮膚、筋肉、筋膜、靭帯、腱)に対して手技による刺激を加え、血液循環やリンパ循環の改善を行い、それにより機能改善や健康回復に寄与すること。
そのようにとらえています。

それに対し、整体は文字通り、身体を整えること。
私共ではさらに拡大解釈をし、命の営みを整えることとしています。
いずれにせよ、何等かの方法で、身体が持つ自然治癒力をあげ、それにより、痛みや症状を根治に導くこと。
そのように考えております。

以下、ひとつの例をあげて説明いたします。

私は以前、右手第四・第五中手骨を骨折したことがあります。
中手骨とは、手のひらに存在する、指の延長の骨です。
そのうちの二本が、見事に真っ二つに折れてしまったのです。
原因は、聞かないでください(笑)

診断後、手術が必要と言われました。
折れた骨を整復し、骨にドリルで穴をあけ、四本のピンにて固定する。
麻酔をしていたものの、手術は激痛でした。

手術後は副木をあて、包帯を巻き、右手を固定したままにしました。
右手は、ほとんど使えない状態です。

「整体師」という生き方 ~あなたがあなたであるために、心と身体にやさしさ、ぬくもり、安らぎを~-右手中手骨骨折
上の写真は、手術直後
下の写真は、手術の約2か月後。

約1ヶ月半後、折れた骨の融着を確認し、ピンを抜いていただきました。
すると、右手の第四・第五指(薬指、小指)の関節がほとんど動きません。
無理に動かすと、激しく痛みます。
その後、数ヶ月かけて、リハビリを行いました。

担当してくださったのは、作業療法士さんです。
拘縮して動かない手の筋肉に対し、入念に、根気よくマッサージを施す。
それによって、指は少しずつ、動くようになりました。
握力も、回復して参りました。
そして、数ヶ月後、日常生活には支障がないレベルに回復しました。

ただ、何となく違和感が残っていました。
左右の指の動きを比較すると、明らかに差があります。
また、右手は完全に握り込むことができない。
ひっかかりを感じるのです。

自分で、指や手、あるいは前腕のマッサージを続けました。
しかし、どうしても違和感は無くなりません。
特に不便は感じないので、そのうち放置するようになりました。

その後、あるきっかけで、生まれて初めて整体の施術を受けました。
いま、私が手がけている整体法です。

施術直後は、身長が伸びた(姿勢がよくなった)という感想でした。
その他、別に効果らしい効果は感じませんでした。

しかし、その日の夜、右手の異変に気付きました。
残った違和感、ひっかかりがまったく消滅していたのです。
左右の手の感覚は、ほぼ同じになっていました。

その整体施術では、手にはまったくふれていません。
もちろん、マッサージ行為もしていません。
しかも、たった一回の施術です。
それなのに、手の違和感が消滅したのには、心底驚きました。
それと同時に、整体の意味、役割りを理解しました。

以上の経験が、私のマッサージと整体の基本認識を形成しました。
つまり、

・マッサージは、医療行為。
・整体は、医療でできないことを補う。

私は、そのように考えています。

日本には、あん摩マッサージ指圧師という国家資格が制定されています。
資格取得するには、医療系専門学校で専門知識を学ぶ必要があります。
その後、国家試験を受け、合格する必要があります。
そして、マッサージという行為は、有資格者のみに許可されています。
厳密に申し上げると、そういうことです。

前述の作業療法士さんが、その資格をお持ちだったのか。
あるいは、作業療法士の業務範囲に、マッサージが含まれるのか。
それは、私は存じ上げません。
いずれにせよ、機能改善や健康回復を目的とした医療行為、それが本来のマッサージであると私は認識をしております。

ところが現在は、マッサージがとても多様化しています。
医療行為に留まらず、慰安行為として大流行をしているようです。
そのため、町のいたるところに、さまざまなマッサージ屋ができています。
電気屋さんでは、マッサージ機も、よく売れているようです。
また、スポーツマッサージや性感マッサージという分野もあります。
ベビーマッサージなど、家庭でできるものもあります。

このあたりの言及は、次回に譲りたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

整体とマッサージ(2)へ続く