【Spin Star 500 スピンスター500】

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1975年発売の小型インスプールスピニングリールである。
国内海外ともに販売された。
海外ではDAIWA7150HRLという名前だった。
(HRLはハイスピード左右両用巻きの意)。

スピニングエース7250の小型版の位置づけであるが、翌年に7250DXは引退したため、実質上は7250の後継機種とも言える。

海外では、インスプールリールの需要は高く、海外向け品をとりあえず国内向けに持ってきた感がある。
しかし、国内ではこの頃になると、アウトスプール(スカーテッド)全盛の時代に入っており、インスプールは、飛距離が出ない、ラインの巻き込みトラブルが多いなど旧式のイメージが定着していた。
私も少年時代、アウトスプールに対してインスプールは、性能云々の前にデザインが不格好で古くさい感じがしていたものだ。
(当然、釣り少年の私がミッチェルやカーディナルと言った名品を使用する機会など無かったのだが。)

これがダイワ国内向け最後のインスプールリールとなり、その後、国内ではインスプールは完全に淘汰されて現在に至る。
海外ではインスプールの人気は根強く80年代まで健闘していたが、ミッチェルやカーディナルもスカーテッド化し、現在ではマニア用復刻版以外にほとんどその姿を見ることが無い。

スプール
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ワンタッチ脱着式インスプールタイプとなっている。
スプールはアルミのブラックアルマイト仕上げ。
スプール下部外苑には、ライン巻き込み防止のモールが取り付けられているが、ミッチェルの影響か?。
ベールは内蹴り式オートリターン。

左右両用巻き(RLシステム)
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7250譲りの左右両用巻きである。
7250と異なり、海外向け転用であってもちゃんとスピンスターのロゴが与えられている。

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ハンドルは、ハンドル軸のロックナットを緩めて折りたたむタイプ。
やはり小型スピニングはアルミマシンカットハンドルの方が似合うと思う。
内部メカも、7250譲りのストローク減速機構付きである。

1975年カタログ(国内)
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1975年カタログ(国内)
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1976年カタログ(国内)
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スピンスターシリーズは、国内向けSS小中型モデルのデザイン変更版と、新設計モデルをひとまとめにしたため、シリーズの統一感が無い構成となっている。

ここで謎なのが、国内向け写真では全て右ハンドル設定になっている。
7250はそうではなかったのだが。
このシリーズはルアー専用と言う事ではなく磯上物小物用の汎用リールとしての位置づけなので、日本人になじみの深い右巻きで紹介されているのであろう。
まあ、左右両方なので問題は無いが、あくまでイメージということで・・・。

1000~3000番は、2代目SSNo.1~3の衣装替えしたものであり、SSは、この年3代目が登場し、No.1を残し2代目最後の年であった。

500番はスピンスターシリーズ中、唯一のインスプール。他は全てアウトスプール。
新設計で、海外向け7150HRLより1年先行して国内販売された。
インスプール末期のこの頃に新設計モデルを投入したのは興味深いところだが、海外向けの先行販売と思えば合点がいく。

1年遅れでラインナップに加わったミニは完全新設計であり、ダイワの世界最小スピニング路線へのこだわりが見られる。

まとめると
3000=SS№3DX
2000=SS№2DX
1000=海外向けSS№1
500=海外共用新設計モデル、7150HRL
ミニ=新設計モデル 

1976年カタログ(海外)
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1977年カタログ(海外)
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海外版は、76年にDAIWA7150HRLとして掲載されている。
カラーは、ゴールド?というかコッパー?というかそういう感じの色である。
海外向けはRL(Light/Reft)シリーズとして展開されており、大きさの違う兄弟機には、7850、7650、7450、7350、7200があった。
(この年7250HRLAは引退している)
77年にはスプールには、ダイワお得意の糸巻き量表示ステッカーも貼られた。

1979年カタログ(海外)
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海外では、79年にDAIWA8150HRLとしてマイナーチェンジされた。
7250DXのような、アルミ無塗装のスプールに変更され、ボディカラーがシルバーに変更されている。
海外ではインスプールスピニングが根強い人気を持っていたようで、この後も主力商品としてHRLシリーズは展開販売されている。

仕様諸元
ギヤ比 1:5.4 
自重 250g  
釣力 A方式4kg、B方式6kg 
巻糸量 2号220m、3号150m、4号110m 
ボールベアリング入数 1個 
価格 ?