『ザ・ゴール』という黄色で分厚い本があります。

わたしが影響を強く受けた本の一つです。

 

日本では2001年に刊行されたらしいのですが、何事もミーハーなわたしも、さっそく手にした記憶があります。

ちょうどその頃、システム開発のプロジェクトに参加する機会もあり、とても勉強になりました。

 

この本は、工場の効率を上げる理論として有名なTOC理論をもとに、物語形式で「どうすれば生産性を高められるのか」を考えるような内容です。

 

ジャストインタイムなどの言葉に慣れている私たちからすると、「まあ、当たり前だよね」と感じる部分もあるかもしれません。

 

しかし、このTOC理論で何度も強調されているのは、スループット、つまり最終的な出力を上げるためには、どこに着目すべきかという考え方です。

 

いくつもの工程が連続し、何人もの人や部品が連動して、最終的な成果につながっていく。

 

その中で、どこを改善すれば本当に全体の流れが良くなるのか。

ここを見極めることが重要だということです。

 

ひとことで言えば、スループットはボトルネックに大きく制約されます。

そのため、ボトルネックを解消せずに、他の工程の効率だけを上げても、全体のスループットは高まりません。

 

これを実際に行うのは、簡単なようで難しい。
 

  • 整備であれば整備の効率  
  • 受付であれば受付の効率  
  • 管理であれば管理の正確さ

 

もちろん、それぞれは大切です。

 

しかし、それぞれが自分の持ち場だけを最適化しても、全体として流れが良くなるとは限りません。ここが難しいところです。

 

一人ひとりが一生懸命に働き、「もっと台数を増やそう」「もっと生産性を高めよう」と掛け声を上げても、それだけでは本質的な解決になりにくい場合があります。

 

 

人間は視覚情報に強く影響を受けるため、どうしても目につく現象に引っ張られやすいものです。

そのため、多くの場面で、真のボトルネックを見逃してしまいます。

 

目についたところを優先して、何とかしようとする。確かに目の前の出来事は改善されるかもしれません。

しかし、それによってスループットが上がったと勘違いしてしまうことがあります。

 

実際には、全体の成果にはあまり影響していないことも少なくありません。

 

 

次期型工程管理システムでは、このような見えにくいボトルネックを見える化し、全体の流れを止めない仕組みづくりを目指しています。

 

日々の仕事でも、自分の持ち場だけでなく、「全体の流れはどこで止まっているのか」「本当に改善すべき場所はどこなのか」を考えることが大切だと思います。

 

流れを止めない。

 

その視点を、これからの仕事の中でも大切にしていきたいと思います。