私たちはつい、まっすぐ一直線に進むことが一番効率が良いと思いがちです。
遠回りしない。余計なことをしない。できるだけ平坦に、できるだけ最短で進む。
見た目にも無駄がなく、いかにも合理的に見えます。
でも、物理の世界には少し面白い話があります。
直線がいちばん早いように思えますが、実はそう単純ではありません。
高いところから低いところへ物体が移動するとき、最も早く到着する道は、必ずしも一直線ではない。
むしろ最初に下がって勢いをつけたほうが、直線より距離は長くても早く先に進む。
これを「最速降下曲線」と呼びます。
Best example for why ups and downs are important in lifepic.twitter.com/hnvTnFjhf7
— Massimo (@Rainmaker1973) March 21, 2026
この話は、仕事や人生にも通じるものがあるように思います。
私たちは日々、効率を求めます。できるだけ無駄なく、一直線に進みたいと思う。
もちろんそれは大切です。
ただ、何でもかんでも最短で進めばよいかというと、そうとも言い切れません。
たとえば、新しいことを学ぶ時間や仲間と対話する時間。
その場では遠回りに見えても、あとで判断が速くなり、迷いが減り、結果として全体が前に進みやすくなることがあります。
人材育成も同じです。
答えだけを与えれば、その場は早く見えます。しかし、それでは自分で考えて動ける人は育ちにくい。最初は時間がかかっても、考える機会や経験を積ませたほうが、後に大きな力になることがあります。
組織の変革も似ています。
一時的には負荷がかかります。説明も調整も必要で、短期的にはスピードが落ちることもある。しかし、そこを丁寧に進めたほうが、結果として長い目では効率が高くなることがあります。
大切なのは、遠回りに見える時間が、次の加速につながっているかどうかです。
ずっと平坦で、ずっと順調で、ずっと一直線。
そんな進み方が理想に見えることもありますが、実際には、先に勢いをつけることで、距離が長くても先に着くことがあります。
まっすぐかどうかではなく、全体として前に進めているか。
最短距離かどうかではなく、最短時間になっているか。
最速降下曲線。
一見すると遠回りに見える道が、実は最も早い道であることがある。
そんなことを思い出させてくれる考え方だと思います。
