☞ ひとり親控除の創設、寡婦控除の変更
改正の趣旨は、子どもの生まれた環境や家庭の経済事情に関わらず、全てのひとり親家庭に対して公平な税制を実現する観点から、「婚姻歴の有無による不公平」と「男性のひとり親と女性のひとり親の間の不公平」を同時に解消し、同一の「ひとり親控除」を創設することとされました。その際、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある人は対象外とされました。
寡婦控除については、要件の一つに合計所得金額が500万円以下である寡婦という制限があります。また、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある人は対象外とされました。
子以外の扶養親族を持つ死別・離別の女性については控除を引き続き適用することとしています。また、死別の場合は離婚の場合と異なり引き続き夫の家族との関係などの負担を要する、といった制度の創設・改正当時の趣旨を踏まえ、現状維持とされています
✤ 「令和2年分の扶養控除等申告書」の記載方法
国税庁から次の注意点が公表されています。
【令和2年度税制改正事項においてご注意いただきたい点】
令和2年度税制改正において寡婦(寡夫)控除の見直し等が行われ、令和2年分の年末調整の時から、新たな「寡婦控除」および「ひとり親控除」が適用されます。
(注1) 次のような場合には、その旨を「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載して提出する必要があります。
①令和2年の年末調整において新たに「ひとり親」に該当することとなる場合
②既に給与の支払者に提出している「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に「寡婦」、「寡夫」または「特別の寡婦」に該当する旨の記載があり、令和2年の年末調整において「寡婦」または「ひとり親」に該当しない場合
(注2) 年末調整において新たな「寡婦」および「ひとり親」に該当する場合は、「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「左記の内容」欄への記載(例:子の氏名や子の所得の見積額など)が不要となりました。
改正後の寡婦控除等について、次のリンクをご覧ください。
「ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)(PDF/658KB)」
☞ 扶養親族等の合計所得金額要件等の見直し
扶養親族等の合計所得金額要件等の見直しが行われ、それぞれ要件が引き上げられています。
① 同一生計配偶者および扶養親族の合計所得金額要件は48万円以下
(給与所得だけの場合は、本年中の給与の収入金額が103万円以下)
② 源泉控除対象配偶者の合計所得金額要件が95万円以下(令和3年分から適用)
(給与所得だけの場合は、本年中の給与の収入金額が150万円以下)
③ 配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額要件が48万円超133万円以下
(給与所得だけの場合は、本年中の給与の収入金額が103万1円から201万5,999円以下)
④ 勤労学生の合計所得金額要件が75万円以下
(給与所得だけの場合は、本年中の給与の収入金額が130万円以下)