前回に引き続き、ちょっと気になるものを少し。

 

☞ 旅行券

 永年勤続者や退職予定者に対し旅行に招待することに代えて旅行券を支給する使用者もいますが、金額的には福利厚生事業として社会通念上相当と認められる範囲を超えていないか考慮する必要があります。

 

 なお、その旅行券を受領したことによる経済的利益がなかったものとするためには、旅行した使用人は使用者に対してどのような旅行をしてきたか報告する必要があります。

 

使用者は、使用人が旅行券を使用して旅行した際には、その旅行日程、参加者の氏名、支出した費用の領収書等の証拠書類を使用人から報告および提出を受けて保存する必要があります。証拠書類がなければ旅行券の券面金額が使用人に対する給与等として源泉徴収の対象となります。

 

 また、旅行券の支給を受けた本人は仕事に従事し、家族だけが旅行した場合は、当然全額使用人に対する給与等として源泉徴収の対象となります。

したがって、旅行券を支給する場合は休暇とセットとなるのが一般的です。

 

 仕事が忙しいなどの理由で、支給後1年以内に使用されない場合は給与等として源泉徴収の対象となります。

 

(注)未使用の旅行券は使用者に返還することとなります。返還しない場合は、未使用の旅行券の券面金額が給与等として源泉徴収の対象となります。

 

☞ 創業記念等の記念品

 使用者が創業記念、社屋落成記念等の記念として支給する記念品は経済的利益となり使用人に対する給与等として課税対象となります。

 ただし、次の要件を満たせば少額な経済的利益として課税対象とはなりません。

 

 ① その支給する記念品が社会通念上記念品としてふさわしいものであり、かつ、そのものの価額(処分見込み価額により評価した価額)が1万円以下のものであること。

 ② 創業記念のように一定期間ごとに到来する記念に際し支給する記念品については、創業後相当な期間(おおむね5年以上の期間)ごとに支給するものであること。

 

☞ カタログギフト券

 記念品として金額的には容認される場合であっても、カタログギフト券は記念品となりません。不特定の品物の中から選択できるカタログギフト券は、使用者が金銭を支給し、その金銭をもって使用人が自由に買い物をしたということになります。したがって、給与等として源泉徴収の対象となります。

 

☞ 商品券、クオカード

 これらは金銭と同等のものとして使用ができ、課税される経済的利益となります。源泉徴収は、その券面金額を給与等とします。

 

☞ 食事の支給

 使用者から食事を支給された場合は、原則として経済的利益となり給与等として源泉徴収の対象となります。

 

 ただし、次の要件を満たせば少額な経済的利益として課税対象とはなりません。

 なお、次の要件を満たさないときは、支給された食事の対価の額全額から使用人が実際に負担した金額を控除した残額が給与等となります

 

  ① 対価の額の1/2以上を使用人が負担していること。

    かつ、

  ② 使用者の負担額が一月3,500円以下であること。

 

☞ 残業や宿日直の際に支給される食事

 使用人が残業や宿日直をしている際に、使用者が食事を支給している場合のその費用は福利厚生費として経費となります。したがって使用人には経済的利益はなかったこととなるので源泉徴収の対象にはなりません。

 

 ただし、宿日直の際に支給される食事について注意しなければならないのは、非課税となる宿日直手当(非課税限度額は4,000円です。)からその食事の価額を控除しなければならないことです

 

例えば、宿日直手当として4,000円支給される場合において、通常であれば4,000円が非課税となりますが、800円の食事が支給された場合は、非課税となる宿日直手当の限度額は3,200円(4,000円-800円(食事代を控除))となり、非課税限度額3,200円を超過する800円は給与等として源泉徴収の対象となります。

 

 

<参考> 金銭を支給したら少額でも給与等です。

食事、記念品等を支給する代わりに金銭(商品券など金銭と同等のものを含みます。)を支給する場合は、給与等として源泉徴収の対象となります。

 

 

今日はここで終わりにします。ありがとうございます。