国税庁の資料によりますと、日本と同じように給与に係る年末調整等を行っている主要国は、イギリスとドイツのようです。

 また、アメリカでは給与に係る源泉徴収はありますが年末調整等は行っていませんので、給与所得者も確定申告を行うことになっているようです。

 日本において、サラリーマンの大半が年末調整だけで納税が済んでしまうのは源泉徴収制度で定められているわけではありませんが、年末調整の仕組みが個人情報を反映しその年の給与所得者に係る所得税について精算的内容となっているからです。

 年末調整された給与所得者が個人確定申告をする必要がなくなるのは、所得税法221条により申告納税制度における確定申告が不要であるという条件を満たしたときだけとなっています。

 したがって、全ての給与所得者が源泉徴収だけで1年間の納税が済むわけではありません。基本的には、申告納税制度による確定申告によって算出された所得税から適法に源泉徴収された所得税を控除することによって調整する必要があります。