アサリの砂抜き。

ヒタヒタの
塩水につけて
あくる日まで。

と、
ばかり思っていたけれど

鮮魚コーナーの張り紙で

「50度くらいのお湯だと15分ほどでオッケーです」新情報を見つけて
早速試して見る。


50度水温は目安でよかろう。
我が家42度設定のお風呂を基準に
指先をセンサーにする。

アサリを平たく敷いて
ちょっと熱めのお風呂に入れる感じで
水で調整したお湯を注ぐ。

注いだすぐから
アサリからチュウチュウ音が聴こえてくるので驚いた。

殻からはみ出てくる
アサリの身は
この小さな物体が
たしかに
地球上の「生命の一つ』なんだと
思わせる。

元気な貝は
生き生きと
外の世界に反応を示す。
チョンと触ると
サッと引っ込む。





職場である介護保険施設でも
貝の、
この様子を思い浮かべることがある。


入所者様の
口元から
ダランと舌先が
垂れた時。
レベルが低下して
呼ぶ声に反応しなくなった時
舌は
弱った貝になる。


そんな時
歯科衛生士がすることは
舌をチョンチョンと触って
反応を感じながら
心の耳を澄ますことである。

ゆっくり
目を覚ます貝もいれば
咽頭のあたりでダブついたままの
貝もいる。


ヒトのお口の中にある、
もう一つの生命体。





生命進化の源を辿れば
ヒトの故郷も海だというのも
うなずける。